「地産地消」で関西電力より16%安く、地域特化で挑む「はりま電力」:電気料金の新プラン検証シリーズ(21)(2/2 ページ)
小規模な店舗や事務所向けのプランが「電灯プランB」だ。こちらは関西電力の「従来電灯B」に相当するプランで、1kVA(キロボルトアンペア)ごとの基本料金と3段階の電力量料金という料金体系は同じだ。
電灯プランBのメリットはシンプルで、従来電灯Bの基本料金と3段階の電力量料金全ての料金単価を一律で10%安く設定した(図3)。従来電灯Bで月の契約容量が20kVA、月の電力使用量が1000kWhの店舗が切り替えた場合、電力料金が年間で約4万円程度安くなる計算だ。
図3 はりま電力の「従来電灯B」の料金単価 出典:はりま電力
業務用冷蔵庫や業務用空調など動力を使用する店舗に向けた「低圧電力」プランも提供する(対象は50kWh未満)。こちらの料金単価などは、個別見積もりになる。一例として関西電力の低圧電力契約で、契約容量20kW(キロワット)、毎月の電力使用量が1000kWhの場合、年間約15%(約7万円)ほど電気料金が安くなるとしている。
図4 はりま電力の「低圧電力」に切り替えた場合の料金シミュレーション例 出典:はりま電力
- 関西電力と比べて最大5%安く、大阪ガスが「ガス発電プラン」も
東京ガスに続いて大阪ガスも家庭向けの料金プランを発表して、1月4日から契約申込の受付を開始した。関西電力のサービスエリアを対象に、都市ガスとセットの2年契約で最大5%を割り引く。月間の使用量に応じて4段階の単価を設定した。標準家庭よりも使用量が多い場合に割安になる。
- 激戦区の関西電力エリアに、生協が低価格・低CO2で挑む
大阪府の南部で50万人の組合員を抱える生協が関西電力に対抗する料金プランを打ち出した。毎月の使用量が標準の300kWhの場合に4%安くなり、使用量が多いと割引率が10%以上のプランもある。大阪ガスや携帯電話会社のセット割引とも競争しながら、CO2排出量の少ない電力を販売していく。
- 関西電力は時間帯別メニュー1本で勝負、夜間割引を10時間に拡大
小売全面自由化で厳しい競争を迫られる関西電力だが、4月に投入する新しい料金プランは1種類に限定した。昼間の単価を高くする代わりに夜間を安くする時間帯別のメニューで、夜間の時間帯を従来の8時間から10時間に拡大した。原子力発電所の再稼働を想定した料金プランでもある。
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