新素材でモーターや圧縮機を3%省エネ化、エアコンなどに採用へ省エネ機器(3/4 ページ)

» 2016年02月26日 11時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

製品レベルで3%の効率向上を実現

 今回の共同研究では、東北大学がナノ結晶材料のシートまで製造し、パナソニックではこれらを加工し最終的にモーターやトランスなどの製品の形にするという役割分担である。既に2014年12月には、やや小型の直径70ミリメートルの試作モーターを開発し、電磁鋼板を採用した原稿品とNANOMETを採用したものを比較すると鉄損を70%減少、効率は6%向上させることに成功している。今回はより最終製品化に近いサイズとして直径125ミリメートルの試作モーターを製作し実証を行った。

 結果として、125ミリメートルのサイズでも現行電磁鋼板機と比較して、鉄損で60%減、効率で3.1%の改善を得られたという。また、同モーターを搭載した圧縮機でも効率(COP)2.9%の向上を実現できたとしている(図3)(図4)。

photophoto 図3 左は125ミリメートルの試作モーター、右は試作モーターを組み込んだコンプレッサー(クリックで拡大)

 パナソニック 生産技術本部 生産技術開発センター 生産技術研究所 冷熱システムプロジェクト プロジェクトマネージャーの浅井田康浩氏は「最終的に製品に組み込むコンプレッサーの形に組み上げても実測値で見込み通りの効率向上を実現できた」と語る。

photo 図4 125ミリメートルの試作モーターおよび圧縮機の実証結果(クリックで拡大)出典:パナソニック

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