「村に帰る」思いを込めた太陽光発電所、売電益から1億円をバス事業に自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2016年03月03日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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売電益でバスを運行して帰村者を支援

 かえるかわうちメガソーラー発電所を運営するのは、福島県の郡山市に本社を置く再生可能エネルギー専門のエナジアだ。川内村のメガソーラー事業を実施するために2013年に設立したベンチャー企業である。4.5万平方メートルにのぼる建設用地は村がエナジアと協定を結んで賃貸する(図3)。

図3 「川内村復興整備計画」によるメガソーラー建設区域(画像をクリックすると復興整備計画の区域全体を表示)。出典:川内村役場

 事業費の一部は経済産業省の「平成26年度 再生可能エネルギー発電設備等促進復興支援補助金(半農半エネモデル等促進事業)」の適用を受けた。メガソーラー事業に加えて、帰村者の生活拡充と村の再興を図るために「かえるかわうち再興バス事業」も計画中だ。メガソーラーの売電益から20年間に約1億円をバス事業に還元する。

 川内村の復興整備計画では村の西側にある4.7万平方メートルの採草畑もメガソーラーの用地に転換した。シャープなどが出資して2015年10月に「シャープ川内平伏森(へぶすもり)太陽光発電所」の運転を開始している(図4)。発電能力は同様に2.6MWである。ただし福島第一原子力発電所の20キロメートル圏内には入っていない。

図4 「シャープ川内平伏森太陽光発電所」の全景。出典:シャープ
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