林業の新たな光となるか、初開催の国際バイオマス発電展スマートエネルギーWeek 2016(2/2 ページ)

» 2016年03月10日 13時00分 公開
[長町基スマートジャパン]
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間伐材などをチップ化する加工機

 間伐材などをチップ化、ペレット化する加工機械のチッパー、ペレタイザーなどでは、日本フォレスト(大分県日田市)が国産ドラム式チッパー「ログバスターLB-620ET」(製造元タガミ・イーエクス)の実機を展示した。同チッパーは電動式250kWモーターで、最大直径600ミリメートルの原木を前処理なしで丸ごと切断する。複数の木材を一括投入できるため、効率的にチップ加工ができ、1時間当たり30トンの安定した生産が可能となっている。また、従来のディスク式の破砕機に比べて木材投入時の跳ね返りが少ないため安全性にも優れている。同チッパーを取り扱う日本フォレストはグループで木質系リサイクル機械の販売、技術・保守サポートからバイオマス燃料製造、さらにバイオマス発電所(グリーン発電大分)の運営までトータルで木質バイオマス発電に取り組んでいる。

 各種破砕・粉砕機器など製造の御池鐵工所(広島県福山市)は木材切削チッパー機「ドラムチッパー」の実機を披露した(図2)。同ドラムチッパー機は、間伐材・林地残材・剪定材・製材廃材などを、より供給装置の荷量や剛性を高めたロータリー構造により、口径の大きな材料にも対応ができ、大量に安定した切削チップを生産する。また、投入速度、スクリーン、刃先の出寸法などの変更で生産するチップサイズを変えることができる。

photo 図2 御池鐵工所の木材切削チッパー機

輸入用のバイオマス燃料も登場

 このところの木質バイオマス発電所の増加によりバイオマス燃料については現在、間伐材などの不足とそれに伴う燃料の価格高騰がみられている。こうした状況を背景に、展示会では海外から輸入した燃料を取り扱う企業の出展もみられた

 専門商社の稲畑産業はスリランカから輸入する木質燃料Gliricidiaを紹介した。Gliricidiaは同国内の至る所で見られる木材であることから生産量が豊富で、供給キャパシティーは現在20万トン/年。将来的には100万トン/年まで拡大する予定で、価格固定で5年以上の長期供給契約を締結することができるメリットがある。高位発熱量は約4200キロカロリー/キログラムと高い。水分含有量は10%前後という。この他、マレーシア・サラワクのパーム油製造企業から得るPKS(ヤシの実の種の殻)や、同じくマレーシアで生産する木質ペレットなども扱っている。

 フソウはパーム油を昨油後にえられた空果房をペレット化したバイオマス燃料のEFBペレットを出展した。廃棄物だった空果房をインドネシア現地でペレット化し、地元の大学と共同で研究開発を行い、高発熱量化を実現している。

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