転機を迎える太陽電池市場、ZEHとソリューション提案に活路太陽光(3/4 ページ)

» 2016年03月16日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

総合ソリューションを強化する三菱電機

 三菱電機は、「住宅用」と「総合ソリューション」への取り組みを強化する方針を示す。高出力の新型太陽電池セルと、屋根の形にあわせた多様な形状の組み合わせで大容量の発電を実現する単結晶無鉛はんだ太陽電池モジュール「マルチルーフ」245Wシリーズなどにより、狭い住宅屋根でも「屋根当たり」の発電量を増やす提案を推進する。

 一方で、ソリューションとしてのポイントが、スマートハウスソリューション「ENEDIA(エネディア)」である。ENEDIAはエネルギーを「つくる」「ためる」「かしこく使う」をコンセプトとした、スマートハウスソリューションだ。太陽光発電システムや蓄電池、電気自動車(EV)、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)、三菱電機の各種空調機器や照明機器などを組み合わせた総合ソリューションとして2014年から展開している。

 従来ENEDIAの提案では、電気自動車を蓄電池として捉え、EV用パワーコンディショナー「SMART V2H」などとの組み合わせを提案してきたが、新たにNEC製の蓄電池を同社ソリューションの1つとして採用。太陽電池提案用のカタログにも盛り込むなど、積極的な提案を進めていく(図4)。

photo 図4 三菱電機の「ENEDIA」の蓄電ソリューションとして組み込まれたNECの定置型蓄電池

住宅向け強化に舵を切るトリナ・ソーラー

 トリナ・ソーラーは、ハーフカットセルの高効率・高出力の単結晶モジュール「SPLITMAX」を出展。高い効率性とデザイン性により、限られた屋根のスペースを最大限に活用できるとし、日本の住宅向けでの提案を強化していく。新たに住宅用にパワーコンディショナーや架台、モニター、ケーブル、送信ユニットなどが一体となったパッケージ製品などを用意。販売パートナーの開拓などにも力を入れ、従来の産業向け中心から、住宅向けの販売を強化することで両者のバランスを確保していく(図5)。

photo 図5 トリナ・ソーラーのハーフカットセル採用太陽電池モジュール「SPLITMAX」

 また新たに太陽電池と農業を組み合わせた「ソーラーシェアリング」用の製品群も強化。実証実験なども進めていく。

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