2013年に日本で初めて運転を開始した2カ所の洋上風力発電設備の実証データが明らかになった。発電能力が2MW級の大型風車を洋上に設置した商用レベルの設備で、年間の発電効率が30%前後に達することを実証した。平均風速は毎秒7メートルを超えたが、風向は2カ所で大きな差が出た。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は千葉県の銚子沖と福岡県の北九州市沖で2013年に開始した洋上風力発電の実証研究の観測データを初めて公開した。2カ所とも海底に設備を固定する着床式を採用して、大型風車1基と観測タワー1基で構成している(図1)。
銚子沖の発電設備は沖合3.1キロメートル、水深11.9メートルの場所で2013年3月に運転を開始した。商用レベルの洋上風力発電では日本で初めての試みだ。風車の直径は92メートルあって、発電能力は2.4MW(メガワット)である。一方の北九州市沖の発電設備は沖合1.4キロメートル、水深14メートルの場所で2013年6月に運転を開始している(図2)。風車の直径は83メートルで、発電能力は2MWある。
発電設備の近くに設置した洋上観測タワーには、10メートルおきに風速計と風向計を設置した。そのほかに温度・湿度・雨量・気圧などの気象観測、さらに波高・流向・水温といった海象データを測定する機器を備えている(図3)。NEDOが公開した観測データは発電設備の運転を開始する前後の期間を含む2013年1〜12月分である。
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