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» 2016年04月14日 11時00分 UPDATE

エネルギー管理:ゼロ・エネルギー・ビルを全国へ、総額40億円で補助金 (1/2)

2030年までに新築のビルの平均で「ゼロ・エネルギー」を実現する目標に向けて、政府は2016年度の補助金の公募を開始した。ビル全体のエネルギー消費量を基準値から50%以上削減することを条件に、全国8つの地域に分けて新築・既築・増改築の建築物から補助金の交付先を選ぶ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 資源エネルギー庁が推進する「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業」の2016年度分の公募が4月11日に始まった。ZEBはビル内で消費する空調や照明などのエネルギー消費量を実質的にゼロに削減するもので、国が定める基準値から50%以上を削減できると「ZEB Ready」になる(図1)。

図1 「ZEB Ready」の実現方法(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 実証事業ではZEB Readyを実現する新築・既築・増改築のビルを対象に、設計費・設備費・工事費の3分の2までを補助金で交付する。1件あたりの補助金の上限は10億円と高額だ。国の委託を受けた「環境共創イニシアチブ」が5月23日まで応募を受け付けて、6月中に交付先を決める。

 ZEBはビルで作り出す再生可能エネルギーの発電量を消費量から相殺して、正味でゼロ(ネット・ゼロ)にすることができる。国の定義では再生可能エネルギーの発電量を相殺して消費量を計算した場合に、基準値から75%以上を削減できると「Nearly ZEB」、100%以上を削減できると「ZEB」と評価する(図2)。ただし発電量を相殺する前のエネルギー消費量の削減分だけで50%以上になるZEB Readyが前提だ。

図2 補助金の対象になる3種類のZEBの定義。出典:資源エネルギー庁

 この定義は2015年12月に公表した「ZEBロードマップ」で規定したもので、2016年度の補助金からZEB Readyを条件に加えた。ZEBロードマップは国内のエネルギー消費量を削減するために、オフィスなど非住宅用の建築物をZEBに転換していく取り組みをまとめた。2030年までに新築の建築物の平均でZEBを実現することが国の目標だ。そのためにはZEB ReadyやNearly ZEBのビルも増やしていく必要がある。

 ZEBの補助金は2012年度から始まり、これまでに補正予算分を含めて合計5回にわたって実施してきた(図3)。予算の累計額は185億円にのぼり、合わせて244件の建築物が補助金の交付を受けている。新たに2016年度の予算で6回目の補助金を開始する。

図3 ZEBを対象にした補助金の経緯(画像をクリックすると拡大)。出典:環境共創イニシアチブ
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