太陽光発電だけじゃない、風力発電とバイオマス発電が続々と始まる自然エネルギー(1/2 ページ)

風力発電とバイオマス発電の取り組みが各地で活発になってきた。固定価格買取制度の認定を受けた発電設備のうち、2015年12月に運転を開始した風力とバイオマスは合わせて10万kWにのぼった。新たに認定を受けた発電設備も両方で26万kWに達して、前月の3倍以上に増えている。

» 2016年04月18日 11時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 資源エネルギー庁が公表した最新データによると、固定価格買取制度を適用した再生可能エネルギーの発電設備は2015年12月の時点で合計2623万kW(キロワット)が稼働している(図1)。前月から87万kWの増加で、原子力発電所の1基分に相当する発電能力が1カ月のあいだに加わった。

図1 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況(2015年12月時点。画像をクリックすると拡大)。各欄の下段の数字は前月比。バイオマスは燃料に占めるバイオマスの比率を反映。出典:資源エネルギー庁

 再生可能エネルギーの種類別に見ると太陽光発電が住宅・非住宅を合わせて76万kWを占めたものの、風力発電とバイオマス発電も5万kWずつ増えて“太陽光偏重”の問題を緩和しつつある。一方で12月に認定を受けた発電設備の規模ではバイオマスが16万kWで最も多かった。風力は10万kW、太陽光(住宅)が9万kWで続く。太陽光(非住宅)は認定を取り消した案件が数多く発生した影響で、39万kWの大幅なマイナスになっている。

 新たに運転を開始した風力発電所の中では、秋田県の由利本庄市にある「ユーラス由利高原ウインドファーム」の規模が圧倒的に大きい(図2)。発電能力が3MW(メガワット=1000kW)の大型風車17基を高原地帯に設置して、最大51MWの電力を供給できる。年間の発電量は一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して3万世帯分に相当する。

図2 「ユーラス由利高原ウインドファーム」の全景(画像をクリックすると所在地も表示)。出典:ユーラスエナジーホールディングス

 12月に認定を受けた風力発電所で規模が大きいのは、宮崎県の串間市で建設準備中の「串間ウインドヒル」である。23基の大型風車を設置して、64.8MWの発電能力を発揮する計画だ。岩手県の一戸町では25.3MWの「高森高原風力発電所」が認定を受けて、2017年内の運転開始を予定している。

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