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» 2016年04月21日 12時00分 UPDATE

電力供給サービス:熊本県内の停電が解消、復旧困難な地域は高圧発電機車120台以上で送電中

震度7の地震が発生した4月16日(土)の未明から5日が経過して、熊本県内の停電は20日(水)の夜に解消した。一時は8万戸を超える停電が発生したが、九州電力による復旧作業と全国各地の電力会社による高圧発電機車の応援で、都市ガスよりも早い復旧にこぎつけた。

[石田雅也,スマートジャパン]

既報1(4月18日):「電力会社9社から熊本県へ高圧発電機車85台」

既報2(4月20日):「熊本県内の停電が現在も2000戸以上で続く」

続報1(4月22日):「送電線の復旧工事が阿蘇地区で進む、24日中に完了へ」

続報2(4月25日):「送電線の復旧工事完了は27日に延びる、降雨の影響」

 九州電力は4月20日(水)の午後7時10分に、がけ崩れや道路の損壊などで復旧が困難な一部の地域を除いて、通常どおりの電力供給を熊本県内の全域で開始した。大規模な土砂崩れが発生した阿蘇市・高森町・南阿蘇村では基幹の送電線を使えない状態が続いているため、高圧発電機車から電力を供給している(図1)。

kumamoto_21apr1_sj.jpg 図1 高圧発電機車による緊急送電(関西電力と北陸電力の応援)。出典:九州電力

 高圧発電機車は20日の午後3時の時点で合計122台が送電を実施中で、さらに40台が発電準備の状態にある。九州電力の52台に加えて、全国9地域の電力会社が110台を現地へ派遣した(図2)。1台あたり300〜500kW(キロワット)の電力を供給できる。ただし燃料を定期的に補給する必要があり、九州電力は東京・関西・中国・四国の4電力会社に燃料補給用のタンクローリーの派遣を追加で要請している。

kumamoto_21apr2_sj.jpg 図2 阿蘇・高森地区における高圧発電機車の配置状況(4月20日午後3時現在)。出典:九州電力

 送電線が使用不能になっている地域では代替ルートの建設にも着手した。南阿蘇村では送電線を敷設するための仮鉄塔の組み立て工事が始まっている。代替ルートを使って阿蘇市・高森町・南阿蘇村へ送電を開始できる時期は未定だが、早期の復旧が望まれる。

 一方で都市ガスの復旧作業は電力よりも遅れている。熊本県内に都市ガスを供給している西部ガスによると、20日の午後11時の時点で10万5000戸の供給が停止している。地震の被害が大きかった熊本市と益城町を含む2市5町が供給停止の範囲に含まれる。このうち10万3000戸は安全確保のためにガスメーターを閉栓できたが、残る2000戸は家屋の倒壊などによって閉栓作業が不可能な状態にある。

 都市ガスでも電力の高圧発電機車と同様に、移動式ガス発生設備を使って臨時供給を実施している。対象地域にある4カ所の病院でガスの供給を開始した。さらに合計19台の移動式ガス発生設備を配置する。西部ガスが所有する8台に加えて、近隣の広島ガス・山口合同ガス・四国ガスから11台が21日(木)中に現地へ到着する予定だ。

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