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» 2016年04月25日 10時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:スマホの充電を壁から行う時代か、戸田建設らがワイヤレス給電建材を実証 (1/2)

戸田建設とワイヤレスパワーマネジメントコンソーシアム(WPMc)は、建設材に埋め込んだワイヤレス給電の実現を目指し、住環境の一部を切り出した実証装置を製作した。実際の住環境に近い実証を進めることで2〜3年での技術課題の解消を目指す。

[三島一孝,スマートジャパン]

 家庭内の電化製品が配線なしで置くだけで使えるようになる日が来るかもしれない――。戸田建設とワイヤレスパワーマネジメントコンソーシアム(WPMc)は2016年4月22日、部屋の壁に埋め込むワイヤレス給電の実現のために、部屋の一部を模した実物大の実験設備を製作したと発表した。

 ワイヤレス給電とは、無線で電気を送ることができる技術で、いくつかの技術が存在するが、今回戸田建設が採用したワイヤレス給電技術は、WPMcが推進する「直流共鳴方式のワイヤレス給電システム」である。直流共鳴方式は、磁界共鳴方式と似た仕組みだが、直流電流を送電共振機構に断続的に与えて、送電共振機構と受電共振機構を相互に作用させ、空間を通して電気を送る技術である。交流から直流に変換する際の電力ロスが生じない他、共振部を一体化できるため、高い電力効率や省スペース性を発揮できる点が特徴である。

photo WPMc代表の篠原真毅氏(京都大学教授)

 直流共鳴方式の特徴について、WPMc代表の篠原真毅氏(京都大学教授)は「ワイヤレス給電技術として代表的な電磁誘導方式や電解結合方式、磁界共鳴方式、無線電波方式はそれぞれ、配置の問題や伝送距離の問題、システム電力効率やシステムが複雑になる点など課題を抱えている。直流共鳴方式はシンプルな構成で高い電力効率と自由度を持ち、さまざまな応用展開が可能だと考えている」と述べている。

 WPMcでは、この直流共鳴方式のワイヤレス給電技術の普及を目的とし、装置の試作・評価、実証活動を通じて技術の開発を進めている。これを加盟企業に提供・共有し、実際のワイヤレス給電の普及につなげていく。現在の加盟企業は34社で、6つのワーキンググループ(WG)で活動を進めている。戸田建設は建設企業で唯一の加盟企業となっており、建設WGの主査を務めているという。

 WPMcの建設WGグループでは、建設物でのワイヤレス給電技術の採用を目指して、実用化への取り組みを進めてきた。従来はワイヤレス給電の開発には、数十センチメートル程度の研究室レベルの実証装置などを使ってきたが、これでは現実的なオフィス空間や充空間での問題点や課題などを正確に把握することはできなかった。これらを背景に今回、戸田建設とWPMcでは、実際の部屋の一部を模した電力供給装置を製作。実環境に近い環境での技術開発や実証を行えるようにした(図1)。

photo 図1 戸田建設とWMPcが製作した実証設備(クリックで拡大)
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