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» 2016年05月23日 11時00分 UPDATE

動き出す電力システム改革(61):電源構成や電力比較サイトの独立性など、消費者から見た情報提供のあり方 (1/2)

内閣府の消費者委員会が「電力小売自由化について注視すべき論点」を公表した。電源構成を含めて消費者にわかりやすい情報提供を事業者に促す一方、電気料金の比較サイトの独立性にも言及した。電力会社には契約変更に必要なスマートメーターの早期配備を求めている。

[石田雅也,スマートジャパン]

第60回:「電力市場の自由化を推進する広域機関、情報システムのトラブルが相次ぐ」

 内閣府の消費者委員会は2016年5月17日にまとめた「電力小売自由化について注視すべき論点」で6つの改善項目を挙げた。小売電気事業者をはじめとする電力業界と関係省庁に注意を促す内容で、具体的な指摘を数多く含んでいる。2020年以降の規制料金の撤廃にも懸念を示すなど、小売全面自由化が消費者に与える影響を長期にわたって検証していく必要性を強調した。

 注視すべき論点の6項目のうち1点目は、料金プランや電源構成に関する事業者からの情報提供である。特に消費者の価値観やライフスタイルに合わせて料金プランを選択できるように、価格とともに電源構成とCO2(二酸化炭素)排出情報をわかりやすく表示することを重視している。

 経済産業省が2016年1月に制定した「電力の小売営業に関する指針」(小売営業ガイドライン)では、電源構成の開示を「望ましい行為」に位置づけるにとどめた(図1)。当初は義務化することを検討していたものの、消費者を混乱させるおそれがあることなどを理由に位置づけを弱めた経緯がある。その背景には原子力発電を増やしたい電力会社の意向もうかがえた。

図1 「小売営業ガイドライン」に規定した電源構成の開示方法の指針(項目欄のページ番号はガイドラインの掲載ページ)。出典:経済産業省

 実際に4月1日から小売自由化が始まって以降も電源構成を開示しない事業者が多い。消費者委員会は小売電気事業者に対して価格とともに電源構成の開示を求める一方、積極的な情報開示を小売営業ガイドラインに明記する必要性も示唆した。消費者から見た情報のわかりやすさという点では、経済産業省がガイドラインの中で例示した電源構成の表示方法も見直す必要がある(図2)。

図2 電源構成の表示例(画像をクリックすると拡大)。出典:経済産業省
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