2015年に再生可能エネルギーを用いた発電設備の容量(capacity)は、147GW成長した。水力を除くと120GWである(図4)。
種類別に見ると風力発電の新規導入量が最も多く、63GW。次いで太陽光(50GW)、大規模水力(28GW)である。
新規導入量を国別に示すと、図5のようになる。中国は再生可能エネルギーに対する2015年の投資額*3)が最も多く、水力と太陽光、風力、太陽熱の4部門で新規導入量が首位となった。地熱ではトルコがトップに躍り出た。集光型太陽熱発電ではモロッコだ。
図5下段の2行は、輸送部門に利用する再生可能エネルギー(バイオディーゼルと燃料用エタノール)の生産量の順位を示す。いずれも米国が首位となった。
日本は投資額で3位、太陽光で2位という位置にある。大規模水力や集光型太陽熱発電などは、地理的な条件から投資の余地が少ないため、図5に登場しないのは当然だ。だが、地熱や風力への投資が目立たないのは課題だ。
*3) 図5の2行目はGDP当たりの投資額を示す。アフリカ最西端の国モーリタニア(人口400万人)や中米のホンジュラス(人口840万人)が挙がった。
2015年の投資と新規設備導入の結果、どの地域にどのような種類の再生可能エネルギーが導入されたのか。累積導入量を示したのが、図6だ。
全世界(左端)と欧州連合に加盟する28カ国、新興工業国(BRICS、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)の他、導入量トップ7カ国の状況を示した。
欧州連合とBRICSがほぼ同程度にあることが目を引く。これは中国の導入量が199GWと巨大なためだ。中国だけでBRICSの約75%を占める。
日本は太陽光の「一本足打法」に頼っていることが分かる。
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