「日本最大手のO&M事業者を目指す」ーーファースト・ソーラーが市場開拓へ本腰エネルギー市場最前線(1/2 ページ)

米太陽電池大手のファースト・ソーラーは、日本国内で太陽光発電設備のO&Mサービス事業を本格化する。2016年秋に東京都内にコントロールセンター(集中監視室)を開設する計画だ。世界で合計5GWの発電設備にO&Mサービスを提供してきた実績を強みに、日本市場の開拓を目指す。

» 2016年06月10日 15時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 2013年から日本の太陽光発電市場に参入した米大手太陽電池メーカーのファースソーラー。同社は2016年から海外での実績を強みに、日本で太陽光発電設備のO&M事業を本格的に拡大していく計画だ。その戦略についてファースト・ソーラー アジア パシフィック地域 オペレーション&メンテナンス担当 シニア・ディレクターのフランク・テオフィロ氏に聞いた。

フランク・テオフィロ氏

スマートジャパン 現状、そして今後の日本のO&M市場をどう見ていますか。

テオフィロ氏 日本の太陽光発電のO&M市場はまだまだ成熟していないと感じる。例えばオーストラリアやチリ、タイ、マレーシアなどの海外市場では、O&Mの重要性というのがよく認知されている。こうした海外市場と比較して考えると、日本のO&M市場はこれから成長する余地があると考えている。

 日本ではO&M市場の拡大を後押しする材料もある。1つは規制だ。日本政府が太陽光発電設備の設置に関して、O&Mを義務化する流れも進みつつある。さらに事業に融資している金融機関などが今後、発電所の詳細な運用データの提出を求める動きが強まる可能性もある。

 もう1つの大きな材料が太陽光発電のFIT買取価格が大きく下がっている点だ。現在は1kWhで税別24円まで下がっている。今後太陽光発事業を行う場合は収益性の観点からも、発電量を最大化し、安定した設備運用を行っていく必要がさらに高まっていくだろう。こうした動向もO&M市場の拡大を後押しすると考えている。ファースト・ソーラーは太陽光発電のO&Mの事業者としては世界最大規模であり、日本でも最大手を目指していく方針だ。

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