火力発電で効率世界記録、コンバインドサイクルで62.22%蓄電・発電機器(2/2 ページ)

» 2016年06月21日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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中部電力の「西名古屋火力発電所」に採用

 コンバインド・サイクル方式の火力発電所は、海外だけでなく日本国内でも導入が進んでいる。GEの9HAは50Hz地域に対応する製品だが、同社では米国やアジアなど60Hz交流を利用する地域用向けとして、9HAより小型のガスタービン「7HA」も開発している。7HAは現在、設備更新工事を進めている中部電力の「西名古屋火力発電所」(愛知県海部郡飛島村)に導入される予定だ。

 西名古屋火力発電所は1970年に稼働を開始した歴史ある発電所だが、設備の老朽化から2013年11月で一度全ての発電機を廃止している。当初は設備更新を行って2019年度から再運転を再開始する予定だったが、浜岡原子力発電所の停止を受けて運転開始時期を2017年に前倒している。

 現在、新たに建設している発電設備は液化天然ガス(LNG)燃料とする7号系列で、発電出力は237万6千kWを見込んでいる。7-1号機と7-2号機の2つで構成され、それぞれガスタービン3基と蒸気タービン1基を組み合わせた多軸式コンバインドサイクル発電方式を採用する。これにGEの7HAが利用される予定だ。発電効率はブシャン火力発電所と同じく62%程度を目指して開発が進められている。7-1号機は2017年9月から、7-2号は2018年3月の営業運転開始を予定している(図2)。

図2 中部電力が所有する火力発電設備の熱効率の推移。西名古屋火力発電所は過去最高の発電効率となる見込みだ(クリックで拡大)出典:中部電力
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