多結晶シリコンモジュールで新記録、初の出力300W超え太陽光

ハンファQセルズは大きさは1670×1000ミリメートルの多結晶シリコン型モジュールで、変換効率19.5%、最大出力301Wを達成した。同サイズの多結晶モジュールが最大出力300Wを超えたのは、業界で初の記録になるという。

» 2016年06月23日 15時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 太陽光パネルメーカーのハンファQセルズは2016年6月21日、ドイツのフラウンホーファー研究機構・ISE研究所(Fraunhofer ISE CalLab)において、試作した多結晶シリコン型モジュールのパネル変換効率19.5%、最大出力301W(ワット)という性能が認定されたと発表した。

 開発した試作品の大きさは1670×1000ミリメートル。同サイズの多結晶モジュールが最大出力300W(ワット)を超えたのは、業界初の記録になるという。

 開発したモジュールにはハンファQセルズの「Q.ANTUM」という技術を用いた4本バスバーの高効率多結晶セルを使用している。Q.ANTUMとは太陽電池セルの裏面に、機能性ナノ薄膜(誘電体)を形成する同社の独自技術。これによりセルに入射した太陽光を裏面で反射して、再びセル内に向かわせることで光吸収率を高めることができるという(図1)。

図1 「Q.ANTUM」のイメージ(写真右)出典:ハンファQセルズジャパン

 今回記録更新を達成したモージュルとセルの生産は、量産用の設備を使い、標準的なプロセスで生産している。モジュールは現行のQセルズの60直モジュールと同じサイズであり、量産品と同等の材料と部材を使用した。

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