2025年にCO2排出量を半減、デンソーが目指す環境計画スマートファクトリー

大手自動車部品メーカーのデンソーは環境問題やエネルギー問題の解決と自然との共生を図り、2050年の持続可能な地域・社会を実現するためのアクションプランとして「デンソー エコビジョン2025」を策定した。

» 2016年06月27日 15時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 デンソーが発表した環境行動計画「エコビジョン2025」では、2025年に達成すべき3つの目標として「エネルギー1/2」「クリーン2倍」「クリーン2倍」を掲げている。この3つの目標を「製品」「工場」「社員」「経営」のそれぞれの段階で実現するため、10の具体的行動を意味する「アクション10」を推進していく(図1)。

図1 2025年に向けた行動計画「アクション10」出典:デンソー

 3つの目標を詳しく見ると「エネルギー1/2」は、地球温暖化やエネルギー・資源問題の解決に貢献する技術で、CO2排出量の半減を具体的な目標としている。製品開発においては、燃費向上や燃料の多様化に対応する新技術・製品の開発を通じ、自動車のCO2排出量の半減に貢献する。また自社工場でも、生産変動にあわせた「エネルギーJIT(Just In Time)」活動や、物流改善などによりエネルギー使用量半減を目指し、CO2削減を推進していく。製品開発を通じて「究極の燃費性能」を追求し、工場では「ミニマムCO2モノづくり」を推進。社員は「低炭素なくらし・移動」に取り組んでいく。

 「クリーン2倍」は全てのステークホルダーに安心して頂もらえるよう、環境負荷物質の影響や排出物・廃棄物の半減を目指し、継続的改善を進めていくことを目標とする。自動車の排ガス低減技術の開発による各地域の大気環境改善への貢献や、工場や物流における廃棄物や水資源使用量の削減などを図る。また社員一人ひとりが、地球環境の維持にこだわり持続可能な社会を目指した行動を実践していけるよう環境に関する教育の拡充を目指す。具体的な行動は製品面では「エコマテリアル&ローエミッション」を掲げ、工場では「ミニマム環境負荷生産」を課題にしている。社員は「環境意識・知識・スキル」を高めて、「環境価値創造のマネジメント」を経営でのテーマとしている。

 「クリーン2倍」は豊かな自然を次世代に引き継ぐため、バイオ燃料の研究や農業支援など環境に関わる新規事業の推進や、工場緑化の推進により、自然との共生を目指した企業活動を行う。各地域、事業所においては、環境をテーマにした社会貢献活動やイベントを実施し、社員の意識の向上・行動の促進を行うとともに、環境に優しいコミュニティづくりにつとめる。「アクション10」の行動内容は製品では「新グリーンテクノロジー」をテーマに、工場においては「緑・自然豊かな職場」環境に気を配る。社員は「環境社会貢献アクション」に取り組むとした。

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