太陽光発電所のストリング監視、工事不要で後付け可能に太陽光

太陽誘電は「PV Japan 2016」に出展し、太陽光発電設備の遠隔監視システムを展示した。配線工事を必要とせず、ストリング単位で電流と電圧を検知できるのが特徴の製品だ。

» 2016年06月30日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 太陽誘電は太陽光発電の総合展示会「PV Japan2016」(2016年6月29日〜7月1日、パシフィコ横浜)に出展し、太陽光発電設備の遠隔監視システム「solmiv(ソルミーブ)」を展示した。電気工事が不要で、後付けでストリング単位の監視を行えるのが特徴の製品だ。

 solmivを構成する主要機器は、ストリングごとに設置する「子機(ストリングセンサーユニット)」と、2.4GHz(ギガヘルツ)帯の無線で子機からの情報を受信する「親機(マネジメントユニット)」の2つのみ。既設の太陽光発電所でも機器構成を問わずに導入しやすくした(図1)。

図1 solmivの「子機」(左)と「親機」(右)(クリックで拡大)

 子機は既設の架台にバンドで固定し、太陽電池モジュールを結ぶケーブルの間に接続するだけで設置できる。駆動電力は太陽電池モジュールが発電した電力の一部を利用する。親機もEthernetケーブルと接続できる場所であれば、どこでも設置できる。このため新たに電力線などの配信工事を行う必要がなく、後付けでも導入しやすいのが大きな特徴だ。

 親機は最大350台までの子機を監視できる。子機間でマルチホップ通信が可能であるため、子機同士の間隔が20m以内であれば、直接親機と通信ができない位置にも子機を設置可能だ。複数の子機がバケツリレー式にデータを親機に集める仕組みだ。これにより大型のメガソーラーにも対応できるという(図2)。

図2 salmiの導入イメージ 出典:太陽誘電

 ストリング電流や太陽電池モジュール電圧の測定値は、親機を通してローカルサーバーに保存し、専用のソフトウェアを通してPC上でリアルタイムに確認できる。過去の発電データとの比較なども可能だ。

 solmivは2014年から本格的に販売を開始して以降、全国で合計5.5MW(メガワット)以上のメガソーラーへの導入実績があり、現在も多くの引き合いがあるという。導入費用は1MW当たり300万円が目安になるとしている。

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