世界初の「電気道路」がスウェーデンに、架線から電力を受けてトラックが走る電気自動車(2/2 ページ)

» 2016年07月01日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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無線で充電できる電気バスも開発

 「電気道路」はスウェーデン政府と民間企業が共同で出資して設置した。投資額は1億2500万スウェーデンクローネ(SKE)で、日本円に換算すると約15億円になる(1SKE=約12円で換算)。スウェーデン政府は2030年までに化石燃料で走る自動車を削減する計画を進めていて、その一環で「電気道路」のプロジェクトにも公的資金を投入した。

 スウェーデンでは再生可能エネルギーによる電力の割合が50%を超えている。ハイブリッド電気トラックを走らせると、CO2(二酸化炭素)の排出量を最大90%削減できる見込みだ。エネルギーの消費量はガソリン車やディーゼルエンジン車と比べて50%以上も少なくて済み、燃費の点でも有利になる。

 ハイブリッド電気トラックを開発したスカニアは、無線(ワイヤレス)で充電できるハイブリッド電気バスも開発済みだ。道路の下に埋設した充電器から、バスの床下に装着した受電装置まで電力を送ることができる(図4)。受電した電力をバスの屋根に搭載した蓄電池に充電しながら走る。すでにテストを完了して、まもなくスウェーデン南部のセーデルテリエ市で運行を開始する予定だ。

図4 無線充電方式のハイブリッド電気バスの構造(画像をクリックすると拡大)。(1)道路の下に埋設した充電器、(2)バスの床下に搭載した受電装置、(3)屋根の前方下に内蔵した蓄電池。出典:Scania
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