HITの実力と家庭用エネマネで差別化を図るパナソニック変転する太陽光発電市場(3)(1/3 ページ)

太陽光発電市場は2015年度でモジュール出荷量が前年割れをし、市場環境は転機を迎えようとしている。こうした中、主要メーカー各社は何を考え、何に取り組んでいくのか。第3回ではパナソニックの考えと取り組みを紹介する。

» 2016年07月07日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

第2回:「家庭の総合ソリューションに勝機見いだすシャープ、ZEHに期待

 太陽光発電市場は2012年の固定価格買取制度(FIT)の開始以降、出荷が急増し2014年度まで大きく成長を遂げてきた。2014年度には9216MW(メガワット)を記録したがここをピークに2015年度は7136MWに減少。今後も普及そのものは着実な伸びを見せるが、従来のような大幅な右肩上がりの市場成長には陰りが見え始めている(関連記事)。

 こうした中でメーカー各社もモジュールを単純に販売するだけでは今後の生き残りが難しい状況になってきている。この環境下で主要メーカー各社は何を考え、何を強みとして取り組んでいくのか。2016年6月29日〜7月1日まで横浜市のパシフィコ横浜で開催された太陽光発電の総合展示会「PVJapan2016」で主要各社にインタビューを行い、本連載では各社の取り組む方向性を明らかにする。第3回はパナソニックの考えと取り組みを紹介する。

連載:「変転する太陽光発電市場

住宅用での取り組みを強化するパナソニック

 パナソニックでは太陽光発電システムをこれまで、一貫して中規模案件、低圧案件向け、住宅用の3つの市場をターゲットに販売戦略を進めてきた。今後の需要見通しも、住宅用を中心とした屋根置きマーケットで太陽光発電システムの設置は着実に成長する見込みを示す。さらに、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の普及で、今後安定した需要が予測されることから、引き続きこの市場向けに発電品質や施工品質、長期保証を重視したラインアップを積極的に提案する。

 「住宅用でのシェアをさらに拡大していく」(エコソリューションズ社ソーラーシステムビジネスユニット吉田和弘ビジネスユニット長)方針だ。併せて、蓄電池システム、HEMSとのセット販売などにトータルな住宅のエネルギーマネジメントの実現を提案していく。

photo パナソニック エコソリューションズ社 ソーラーシステムビジネスユニット長 吉田和弘氏
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