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» 2016年07月07日 13時00分 UPDATE

太陽光:FIT改正で動き出す太陽光O&M市場、各社独自の強みを生かす (1/3)

2016年6月29日〜7月1日に横浜市のパシフィコ横浜で開催された太陽光発電の総合展示会「PVJapan2016」では、出典各社から多くの太陽光発電所向けの運用保守(O&M)サービスが披露された。本稿ではその一部を紹介する。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 2012年に再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)が始まり、国内で一気に導入が進んだ太陽光発電。市場は急拡大した一方で、設備認定は取得したものの実際には事業が進んでいない未稼働案件の問題や、発電所の安全性確保などの面で多くの課題が残っている。

 こうした状況を受けて経済産業省はFIT法を見直すなど、市場課題の解決に向けた動きを加速している。2017年4月から施行されるこの「改正FIT法」のポイントの1つが、安全性や運用に問題があると判断された太陽光発電所は設備認定が取り消される可能性がある点だ。安定かつ長期的に発電量を維持していくため、事業者側にはこれまで以上に発電所の適切な点検・保守が求められる。さらにFITの買取価格が下落する中で、事業採算性を確保する上でもこうした点検・保守は重要な要素だ。

 2016年6月29日〜7月1日に横浜市のパシフィコ横浜で開催された太陽光発電の総合展示会「PVJapan2016」では、出展各社から多くの太陽光発電所向けの運用保守(O&M)サービスが披露された。

機械学習で未来の発電量を予測

 太陽光発電システムの施工などを手掛ける藤崎電機は、開発中のO&Mサービス「O&M エナジーエージェント」(以下、エナジーエージェント)を展示した。エナジーエージェントの最も大きな特徴は機械学習技術を活用した発電量予測サービスだ(図1)。同社が2016年春に設立した「藤崎京都人工知能研究所(FKAIR)」の独自開発技術を活用しているという。

図1 「O&M エナジーエージェント」の概要 出典:藤崎電機

 発電量予測サービスでは、発電設備と建設位置、時間、発電量、気象予報などの情報と機会学習を活用し、将来の発電量を予測する(図2)。機械学習で発電所ごとの特有の発電パターンを精緻に分析して予測できるのが強みだという。予測は短期(当日〜翌日の1分ごとの発電出力)、中期(翌日〜4日後の1時間ごとの発電量)、長期(翌日〜15日後の1日当たりの発電量)で行える。予測値と実際の発電量を比べることで、故障の早期発見や発電量が少ないと予測される日に点検作業を計画して発電ロスを最小化するといった活用が期待できる。

図2 発電予測サービスのシステムイメージ 出典:藤崎電機

 エナジーエージェントには基本機能として、複数の発電所の発電量監視や、点検作業のスケジュール管理機能、故障が起きた際の駆けつけサービス業者の検索機能などを備えている。発電量の監視は他社のサービスとの連携も可能にする計画だという。料金体系も特徴的だ。エナジーエージェンのこうした基本機能はWeb上で無償公開し、発電量の予測サービスを有償で提供する。O&Mサービスは1MW(メガワット)当たり数百万円程度の費用が掛かる場合が多いが、発電量予測サービスは月額5000円程度での提供を想定しているという。2016年8月中のリリースを予定している。

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