ソーラー×建材は最強コンビ、ZEHで躍進目指すカネカ変転する太陽光発電市場(4)(1/2 ページ)

太陽光発電市場は2015年度でモジュール出荷量が前年割れをし、市場環境は転機を迎えようとしている。こうした中、主要メーカー各社は何を考え、何に取り組んでいくのか。第4回ではカネカの考えと取り組みを紹介する。

» 2016年07月08日 07時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

第3回:「HITの実力と家庭用エネマネで差別化を図るパナソニック

 太陽光発電市場は2012年の固定価格買取制度(FIT)の開始以降、出荷が急増し2014年度まで大きく成長を遂げてきた。2014年度には9216MW(メガワット)を記録したがここをピークに2015年度は7136MWに減少。今後も普及そのものは着実な伸びを見せるが、従来のような大幅な右肩上がりの市場成長には陰りが見え始めている(関連記事)。

 こうした中でメーカー各社もモジュールを単純に販売するだけでは今後の生き残りが難しい状況になってきている。主要メーカー各社は何を考え、何を強みとして取り組んでいくのか。2016年6月29日〜7月1日まで横浜市のパシフィコ横浜で開催された太陽光発電の総合展示会「PVJapan2016」で主要各社にインタビューを行い、本連載では各社の取り組む方向性を明らかにする。第4回はカネカの考えと取り組みを紹介する。

連載:「変転する太陽光発電市場

カネカにとっては市場変化は追い風

 太陽光発電市場の変化について、カネカの経営企画部 経営企画グループ 幹部職 池上淳氏は「カネカは産業用はそれほどやっておらず、ほとんどが家庭向けであるため、それほど大きな影響はないと考えている。もともと、屋根材と一体型の太陽光発電など、建材に取り組んできた強みを生かして住宅向け太陽光発電設備を展開する方針を示しており、この方向性についても特に変更はない」と述べている。

 その中でも特にZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)への関心の高さは、カネカにとって大きな追い風になっているという。

 池上氏は「ZEHを実現するには、太陽光発電などで発電量を高める一方で、使用する電力を下げる省エネへの取り組みが必須となっている。そのためには建材としての断熱などが大きな影響を与える。カネカはこれらに両方取り組んでいるために、ZEHのトータルソリューションやコンサルティングが可能だ」と強みを述べている(図1)。

photo 図1 カネカのZEHソリューションのイメージ図(クリックで拡大)出典:カネカ
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