横浜に立ち上がる「仮想発電所」、初の公民連携で構築スマートシティ(2/2 ページ)

» 2016年07月08日 13時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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スマートシティ実証の成果を活用

 横浜市では2010年度から政府の補助を受けて「横浜スマートシティプロジェクト」に取り組んでいる。これは民間企業34社と共同で、家庭やビルなどの既成市街地へのエネルギー受給の最適化に貢献するシステムの導入と実証を目的としたものだ。

 横浜市はこのプロジェクトを通して2015年度までにHEMSを4200件、太陽光発電システムを合計37MW(メガワット)、電気自動車を2300台を導入することに成功している。こうした取り組みによって、現在、横浜市における使用電力量の10%は、再生可能エネルギーなどの市内の分散電源が占めているという。

 このプロジェクトには東電EP(当時は東京電力)と東芝も参画しており、そこで得たノウハウや技術を今回のVPP構築事業でも活用していく。

「もっと大きな」仮想発電所も視野に

 横浜市は今後、今回の事業を庁舎、病院、民間ビルなど市内の他の施設へも展開していきたい考えだ。太陽光発電設備などの再生可能エネルギー電源との連携も進め、「あかりの途切れない拠点づくり」を目指していく(図3)。

図3 小中学校以外の施設への展開も目指す 出典:横浜市

 東電EPは導入する蓄電池設備を、今後創設される節電取引市場での活用も想定する。東芝は同社の蓄電池群制御技術の高度化を進め、再生可能エネルギーの導入を促進しつつ、事業者と需要家の双方にメリットのあるシステム・サービス提供の水平展開を目指す。

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