いきなり導入事例を披露、ブラザーが新規事業で燃料電池市場を開拓へ蓄電・発電機器(3/4 ページ)

» 2016年07月14日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

なぜブラザーは燃料電池システムを開発できたのか

 ブラザーの燃料電池システムは、同社が中期経営計画で拡大を目指している「産業用領域」の新規事業の第1弾となる。もちろん燃料電池システムを販売するのはこれが初。そもそもプリンタや複合機などのオフィス機器や工作機械を手掛けてきたブラザーが燃料電池システムを開発できたのか。

 同社は2013年に1月に愛知県安城市に本拠を置く機械部品メーカーのニッセイを子会社化している。ニッセイは減速機などの部品開発製造を手掛けているが、小型の非常用燃料電池の生産も行っていた。ブラザーは子会社化に伴いニッセイの持つ燃料電池技術と、すでに持つプリンタや複合機の開発で培った小型化技術、工作機械の開発でノウハウがある電源制御技術などを組み合わせて今回の燃料電池システムを開発。新規事業の第1弾製品に据えた。

販路を活用してオフィスの中へ

 ブラザーは開発した燃料電池システムを、さまざまな用途に向けて最適化し、拡販していく考えだ。今回「第10回 オフィス防災EXPO」では先述したBFC2-W700MHの他、2つのコンセプトモデルを披露した。1つがオフィス内での利用を想定した「BCP対策モデル」だ(図5)。ブラザーがオフィス機器で開拓した販路を活用できる製品でもある。

図5 「BCP対策モデル」(クリックで拡大)

 BCP対策モデルは発電ユニットと燃料ユニットを一体化しており、キャスターが付いているため押して運搬することができる。「燃料電池システムはディーゼル発電機などと異なり、排気ガスもでない。オフィス内だけでなく、野外のイベントなどでも活用できるのではないかと考えている」(ブース担当者)。

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