「太陽光発電道路」が米国で実証開始、米国発展を支えたルート66で蓄電・発電機器(2/2 ページ)

» 2016年07月19日 07時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]
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「Solar Roadways」太陽光パネルで雪をとかす

 「Solar Roadways」の太陽光発電パネルが画期的なのは単純に道路を使って発電をするというだけではない点である。ヒートパネルを組み込むことで、雪をとかす機能を道路に加えることも可能だとしている(図5)(図6)。

photo 図5 「Solar Roadways」太陽光発電パネルにヒートパネルを組み込む様子 出典:Solar Roadways
photo 図6 ヒートパネルありのパネルとなしのパネルの比較。雪がとけているようすが分かる 出典:Solar Roadways

路面表示を自由に変更するような使い方も

 さらに同パネルに、LED発光機能を加えることで、発光させて路面標示を状況に合わせて変更するような使い方なども可能だという。例えば、駐車場などで障がい者など優先用スペースなどが埋まった際に急きょ通常スペースの1つを優先スペースに切り替えるなどの対応が紹介されている。また、耐圧センサーや対物センサーなどと組み合わせることにより、野生動物の侵入地点だけパネルを発光させることで、運転者に注意を促すようなことも可能だ(図7)(図8)。

photo 図7 LED発光機能を組み込む様子 出典:Solar Roadways
photo 図8 LED発光機能により路面表示を状況に合わせて変更することが可能になるとしている 出典:Solar Roadways

 これらのようにSolar Roadwaysでは、同社のパネルが通常の道路素材に比べて優れる20の特徴を紹介している(図9)。

photo 図9 Solar Roadwaysパネルが通常の道路素材に比べて優れている点 出典:Solar Roadways

旧国道66号線関連施設で実証

 今回の実証実験では、米国を横断する国道として栄えた旧国道66号線関連施設「the Historic Route 66 Welcome Center」で行うとしている。国道66号線は米国の東部と西部を結ぶ国道として沿線の隆盛を呼んだが、1950年代以降州間高速道路システムの整備が進んだことで、廃線となった。その後、州道として一部活用がされてきたが近年「歴史的道路」として再注目されてきたという。今回、国道66号線の廃線要因となった州間高速道路の老朽化が呼び水となって、旧国道66号線で最新技術の実証が行われるというのは時代の移り変わりを象徴する出来事といえるかもしれない。

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