太陽光発電の認定ルールが8月1日に変更、運転開始は3年以内に法制度・規制(2/2 ページ)

» 2016年08月02日 11時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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運転中でも事業計画の提出が必要に

 改正FIT法では発電設備の認定基準を大幅に強化する。固定価格買取制度の目的であるエネルギーの安定供給と環境負荷の低減に寄与することを明確にするための措置だ。従来の認定基準に新たに9つの項目を加えて、発電事業者が申請時に提出する計画書の中で同意を求める(図3)。

図3 認定申請書の事業内容を記載する欄(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 新しい認定基準では、最長20年間の買取期間を通して事業計画が作られていることが前提になる。そのうえで発電設備を点検・保守する体制が事業計画に織り込まれている必要がある(図4)。このほかに事業者名や事業内容を記載した標識を発電設備の設置場所に掲示することも認定基準に追加した。地域の自治体や住民に対して発電設備の管理責任を明らかにするためである。

図4 新しい認定基準の主な項目(画像をクリックすると現行の認定基準も表示)。出典:資源エネルギー庁

 太陽光発電以外の再生可能エネルギーにも新しい認定基準が加わる。バイオマス発電では燃料のバイオマス比率を月に1回以上の頻度で定期的に算定して記録することが求められる。地熱発電では運転開始前から地熱資源の成分や資源量を継続的にモニタリングすることが事業計画に含まれていなくてはならない。

 一連の法改正にあたって発電事業者が注意すべき点は、すでに認定を受けて運転中の発電設備にも同様の基準が適用されることだ。改正FIT法を施行する2017年4月1日の時点では、運転開始済みの発電設備は「みなし認定」の状態になる。みなし認定の対象になる事業者は6カ月後の2017年9月末までに、発電事業の収支計画や点検・保守の実施体制を示す書類を提出する必要がある。

 政府は発電事業者が申請した情報をもとに、発電設備の概要を公開する仕組みも導入する。発電設備のID(識別番号)、事業者名、発電設備の区分、認定出力、所在地の5項目を、資源エネルギー庁のウェブサイトで検索可能な形式で公開する予定だ。ただし発電能力が20kW未満の太陽光発電設備は、一般の住宅に設置するケースも多いため情報公開の対象外にする。

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