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» 2016年08月10日 15時00分 UPDATE

電力自由化で勝者になるための条件(5):電力の小売事業を支える顧客管理業務、契約申込から料金計算まで幅広い (1/2)

電力の小売事業において最も重要な顧客管理について解説する。顧客管理は契約申込から始まって、料金計算、収入管理、WEBを生かした料金シミュレーションなど、対象の業務範囲は多岐にわたる。いかに効率よく業務を実行できるかによって、小売電気事業者の競争力が大きく変わってくる。

[平松 昌/エネルギービジネスコンサルタント,スマートジャパン]

連載第4回:「小売電気事業者のサービス戦略、低価格や割引だけでは長続きしない」

 電力の小売事業における業務は「顧客管理」と「需給管理」に大別される。顧客管理の業務は(1)顧客情報管理、(2)料金計算、(3)収入管理、などに分類できるが、基本的には一体の業務として定義すべきものである。

 お客様からの契約開始を含む各種の受付業務をはじめとして、送配電事業者や小売電気事業者への廃止取次などの連携処理(スイッチング処理など)、見積もりや料金メニューの選択、料金収納にかかわる登録処理など、極めて多岐にわたる(図1)。

図1 小売電気事業者に求められる顧客管理業務(画像をクリックすると拡大)。SW:スイッチング、FIT:固定価格買取制度

 お客様からの申し込みについては、その入り口として対面営業受付、店舗受付、WEBによる受付、コールセンターによる受付がある。これらに対応できる体制を小売電気事業者は確立しなくてはならない。

 続いて料金計算では、送配電事業者から需要家ごとの確定使用値を取得し、各需要家の料金メニューに合わせて料金を計算する。送配電事業者からの確定使用値の提供タイミング(家庭などの低圧分野は地区ごとに検針日が異なる)と請求処理を考慮して業務を組み立てる必要がある。

 収入管理は料金計算の結果を受けて請求処理を行う一連の業務である。電気料金の支払方法の大半を占める口座振替(クレジット処理を含めて約80%)のほかにも、コンビニ収納などの支払方法があり、収納代行業者との連携を含めて効率的な業務処理が欠かせない。当然ながら入金後の消し込み処理や債権管理についても行う必要がある。

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