木質バイオマス発電で3万世帯分の電力、リニア新幹線の残土処分地に:自然エネルギー(2/2 ページ)
大林組は建設会社の中でも先頭を切って再生可能エネルギーの開発に積極的に取り組んでいる。バイオマス発電は大月市のプロジェクトが初めてだが、すでに太陽光発電所を全国25カ所で運転中だ。2017年度には太陽光だけで合計128MWの発電能力になる。さらにバイオマスや風力を加えて、2019年度までに再生可能エネルギーの発電設備を200MWの規模に拡大する計画を進めていく(図5)。
図5 再生可能エネルギーの拡大計画(2015〜2019年度)。出典:大林組
秋田県の日本海沿岸にある三種町(みたねちょう)に風力発電所を建設中で、2017年度に運転を開始する予定だ(図6)。三種町の沖合では大規模な洋上風力発電所の開発プロジェクトにも乗り出した。現時点の計画では120基の大型風車を設置して、発電能力が455MWに達する国内最大の洋上風力発電所になる。
図6 秋田県の三種町で建設中の風力発電所の完成イメージ。出典:大林組
このほかにも同じ秋田県の能代港と秋田港の沖合で進行中の洋上風力発電プロジェクトに参画している。青森県の八甲田山ではJR東日本などと共同で地熱発電の開発にも着手した。再生可能エネルギーの開発計画が全国各地に広がることで、建設会社にとっては発電設備の工事を請け負う機会も増えていく。建設事業と発電事業で相乗効果を発揮する期待がある。
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秋田県の2つの港に建設する洋上風力発電所の開発計画が動き出した。丸紅を中心とする事業者グループが環境影響評価の手続きを開始した。計画では能代港と秋田港の港湾区域に合計で最大34基の大型風車を設置して170MWの発電能力を発揮する。2021〜22年の運転開始を目指す。
- 青森・八甲田山に地熱発電、地下2000メートルで掘削調査を開始
東北を中心に地熱発電の開発プロジェクトが活発になってきた。豪雪地帯で有名な青森県の八甲田山の北西地域ではJR東日本など3社が6月から掘削調査を開始する。地下2000メートルまで坑井を掘って地質構造を把握した後に、蒸気の噴出量を確認してから発電所の建設計画に着手する見通しだ。
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