人工知能でエネルギー管理も、電力需要と発電量をリアルタイムに予測:太陽光(2/2 ページ)
NEDOの「新エネルギーベンチャー技術革新事業」は太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーと燃料電池・蓄電池を対象に、ベンチャー企業が開発中の有望な技術の実用化を後押しするプログラムである。技術開発の進捗状況によって4つのフェーズに分けて支援対象を選んでいる(図3)。
図3 「新エネルギーベンチャー技術革新事業」の全体像。出典:NEDO
2007年度から実施してきた事業だが、新たに2016年度は合計19テーマを選んで助成金を交付する。4つのフェーズのうち実用化に向けた「基盤研究」の領域では5件を採択した(図4)。太陽光発電が2件、バイオマスが1件、その他の未利用エネルギーの基盤研究が2件ある。それぞれのテーマの研究開発費を最高5000万円までNEDOが負担する。
図4 フェーズB「基盤研究」の採択テーマ。出典:NEDO
オプティマイザーは2005年に東京都の新宿区で創業したベンチャー企業で、太陽光発電をテーマにした基盤研究の1つとしてNEDOの採択を受けた。インターネット広告を最適化するサービスなどWebマーケティングの分野で事業を拡大した後に、2015年から小売電気事業者を支援するサービスを開始してエネルギー分野に進出した。現在は需要家を対象に電気料金の見直しと契約変更を支援するサービスも提供している(図5)。
図5 エネルギー分野の提供サービス。出典:オプティマイザー
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- NEDOの新エネ事業、「ジャイロ追尾型太陽光」など3テーマが大規模実証へ
NEDOは再生可能エネルギー関連技術を持つ中小・ベンチャー企業の活性化を目的に、2007年度から「新エネルギーベンチャー技術革新事業」を実施している。このほど2016年度の委託・助成先として4分野・19テーマが決まった。今年度から有望技術を着実に実用化するために大規模実証研究の支援項目を新設しており、3つのテーマを採択している。
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太陽光発電の出力予測などに役立つ日射量予測サービスを提供している日本気象協会が、同協会のエネルギー事業戦略について説明した。最新の気象衛星の活用による予測精度の高精度化など、予測サービスのさらなる向上を目指すとともに、人工知能技術などを活用した電力需要予測サービスの開発も推進する。目指すのは再生可能エネルギーの導入拡大などにより課題となっている需給調整コストの削減だ。
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