能登半島では農地のほかに山間部でもメガソーラーが相次いで稼働した。石川県を拠点に再生可能エネルギー事業を運営するRYOKI ENERGYが3つの地域にメガソーラーを展開している。
羽咋市の南側に隣接する宝達志水町(ほうだつしみずちょう)では「SOLAR ENERGY 宝達太陽光発電所」が2015年12月に運転を開始した(図4)。6万平方メートルの用地に1万3400枚の太陽光パネルを設置して3MWの発電能力がある。
続いて半島の北端に位置する珠洲市(すずし)で「SOLAR ENERGY 珠洲太陽光発電所」が2016年3月に運転を開始している(図5)。同じ6万平方メートルの土地を利用して、1万8000枚の太陽光パネルを設置した。パネルを多く設置したことで発電能力は3.8MWに増えている。
さらに半島の東側に広がる七尾市でも1.5MWのメガソーラーを運転中で、3カ所を合わせると発電能力は8.3MWに達する。年間の発電量は合計で970万kWhになって、一般家庭の2700世帯分に相当する電力を供給できる。
このほかにもDVDのレンタル事業で知られるDMMが能登半島の2カ所でメガソーラーを運営している。かほく市に建設した「DMMソーラーかほく発電所」と宝達志水町の「DMMソーラー宝達発電所」である(図6)。それぞれ発電能力は2MWで、2015年4月と9月に運転を開始した。
巨大なメガソーラーの建設プロジェクトも始まっている。食品会社のイセグループが米国のサンパワーなどと共同で27MWのメガソーラーを七尾市に建設中だ。2016年度中に運転を開始して、年間に2億9000万kWhの電力を供給する予定だ。一般家庭の8万世帯分に相当する電力量で、七尾市の総世帯数(2万2000世帯)の3.6倍に匹敵する。
続々と誕生するメガソーラーの多くは、石川県の北半分を占める能登半島に集中している(図7)。半島には森林が広がり、日本海から強い風も吹きつける。これまで石川県の再生可能エネルギーの導入量は他県に比べて少なかったが、太陽光発電に続いて風力発電とバイオマス発電も増えてきた。
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