200kgの鉄筋を楽々運べる巨大な“ロボット右手”、作業人数を半分に情報化施工(2/2 ページ)

» 2016年09月12日 06時00分 公開
[長町基BUILT]
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人間の体の構造を模した配筋アシストロボ

 配筋アシストロボは、人間の右肩、上腕、肘、下腕、手にそれぞれ相当する「肩旋回部」「第一アーム」「肘旋回部」「第二アーム」「把持部」の5パーツと制御盤から構成されている。腕全体の動きをアシストするサーボモーターを肩旋回部と肘旋回部、第二アームに組み込むことで、人間の右腕に近い動作性を実現する(図2)。

photo 図2 配筋アシストロボの概念図 出典:清水建設

 配筋作業時には、配筋アシストロボをH型鋼などの鉄骨柱に固定した後、把持部で重量鉄筋をつかみ、昇降ボタンを使って持ち上げる。その後は、作業員が片手で握った操作グリップの動きに合わせてサーボモーターが稼働する。アームが操作者の意思に沿って直感的かつ滑らかに動き、難なく配筋できるため、重量鉄筋の配筋に必要な作業員が操作者1人、鉄筋の介添え役2人の計3人と従来の半数以下で済む。

 ロボット操作は、配筋作業経験に関係なく、誰でも簡単に行うことが可能だ。現場の作業員によると「重い鉄筋を5〜6回運ぶと疲れがでてくるが、このロボットを使うと、それが回避されて順調に作業を進められる」と評価している。

 なお、配筋アシストロボの作業半径は約5メートル。作業の進行に合わせて設置替えする必要があるが、各パーツの重量を約40〜60キログラムに抑え、かつシンプルな組み立て方式を採用しているため、作業員3人程度の手作業により20分程度で解体・設置ができる。

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