問題ソーラーを自浄へ、茨城県が太陽光発電施設のガイドラインを施行:太陽光(2/2 ページ)
ガイドラインでは、事業者は事前に市町村に「事業概要書」を提出(図2)し、施工や維持管理などの事前協議を行うように示している。さらに、地域の関係者に向けても「事業概要書」の内容や施工、維持管理、撤去や廃棄の計画などについても説明し、理解を求めることが必要であるとしている。
施工においても、騒音対策や除草材散布時の飛散対策、パワコンの騒音や振動を抑えるための緩衝体の設置、低反射タイプや傾き対策などによるパネルの反射光の対策などを講じることとしている。その他、景観についても周囲との調和を求める他、防災対策も適切に行うことを推奨している。その他、緊急連絡先の表示などについても示している。
図2 事業概要書のイメージ(クリックで拡大)出典:茨城県
ガイドラインでは、施工中だけでなく適切な維持管理を行うことを求めている。定期的な保守点検に加え、第三者が敷地内に侵入しないようにフェンスや植栽などで対策を講じることなどを示す。
さらに、設備の毀損や騒音、雑草など、周辺環境に影響を及ぼす事態が発生したときは速やかに対処することを求める。災害発生時についても速やかに現地を確認し、異常については対処するとともに、市町村および地元関係者に連絡することを求めている。
撤去や廃棄については、事業計画の段階から検討し、事業計画に位置付ける。事業終了後は廃棄処理法、建築リサイクル法および「太陽光発電設備のリサイクルなどの推進に向けたガイドライン(環境省)」に基づき、事業者の責任で処理することを求めている。
- 不良施工はFIT認定取り消しか、太陽光発電設備の安全規制強化
経済産業省は事故などが増えている太陽光発電設備の規制を強化する方針だ。報告義務の強化や、FIT認定取り消しなども含んだ対策に乗り出していく。
- 急がれる太陽光発電と風力発電の安全対策、定期検査制度の導入も
2013年から2015年にかけて、全国各地で太陽光発電と風力発電の事故が相次いだ。政府は安全対策を徹底するため、発電設備に対する定期検査制度の導入や保安規制の強化に乗り出す。特に事故が頻発している風力発電に対しては2017年度から定期検査制度を適用する方針だ。
- やはり多かった太陽光「分割案件」、違反防止へ確認体制を強化
総務省は2015年9月にFITを運用する経済産業省に対し、太陽光発電所の「分割案件」の問題、発電事業者が負担する「工事負担金」などの運用について、改善を求める勧告を行っている。このほどそれを受け経済産業省が実施した改善施策の内容や成果が公表された。チェック体制を強化した結果、「分割案件」の恐れがあると判断された案件の割合は、以前の2倍に増えている。
- 増え続ける太陽光発電の廃棄物、2018年にガイドライン適用へ
再生可能エネルギーの中でも環境負荷が小さい太陽光発電だが、導入量の拡大に伴って使用後の廃棄物が増えていく。太陽電池モジュールの排出量は2030年代に年間80万トンにのぼる見込みだ。政府は処分方法のガイドラインやリサイクルシステムを整備して2018年度から順次適用する。
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