現在でも高い再生可能エネルギー比率だといえるが、アップルでは、さらに再生可能エネルギーの活用拡大に向けた取り組みを強化する方針である。ジャクソン氏は同社が建設を進めていたアリゾナ州の50MW(メガワット)のメガソーラープロジェクトが完成したことを明らかにした。
同プロジェクトは、エネルギー会社の米国Salt River Projectと協力して取り組んでいるもので、アリゾナ州メサ(Mesa)にあるアップルのグローバルコマンドデータセンターへ再生可能エネルギーを供給するためのものである。同プロジェクトで生み出される電力はアリゾナ州の家庭1万2000世帯分に相当するという(図2)。
アップルではさらに、製造パートナーや主要取引先からも、同社の支援などを通じ、再生可能エネルギー100%活用のコミットメントも引き出している。既にレンズ技術における部品メーカーが100%再生可能エネルギーの活用を発表しているのに続いて、iPhoneのアンテナバンドを供給しているベルギーのSolvay Specialty Polymersもアップル製品の生産に対し100%再生可能エネルギーを目指すことを表明した。これらの取り組みは8カ国14社において、2018年末までに実現するとしている。
さらにアップル製品のアルミ筐体の最大の供給元である台湾のCatcher Technologyは、2018年末までにアップル製品の生産について100%再生可能エネルギーで実現し、その成果として年間60万トンの温室効果ガスの排出を削減できるとしている。
これらにより、アップルへの部品供給先は、アップル製品に関する生産活動において、2018年末までに15億kWh(キロワット時)の電力消費を全て再生可能エネルギーへと置き換えることになる。これは中国の家庭1万世帯相当の電力消費量と同じだとしている。
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