ポルトガルにおける電力自由化により電力系統にはどのような変化が生まれたのだろうか。以下に電力自由化以降の電力系統の変化についてまとめる。
まず、電力自由化に伴い、ポルトガルの電力系統(SEN:Sistema Electrico Nacional)は4つの独立した部門に分けられることになった。
発電は自由化されたものの、実際の発電業務に関してライセンス制となっている。また発電に関しては以下の2つの枠組みが作られている。
送電はポルトガル政府所有のREN(Rede Electrica Nacionais)によって行われる。つまり、ポルトガルでは送電部門の規制は残ったということになる(ちなみにRENはIMFからの資金援助をうけるために、民営化されている)。
高圧の配電に関してはEDPが行い、低圧に関しては地方自体レベルでそれぞれ引き続き配電が行われることになった。配電に関しても規制が残った。
小売りに関しては完全に自由化がされたもの、依然EDP社の市場のシェアは80%とポルトガルの電力販売の圧倒的1位に君臨している。先にも述べた通りスペインにもビジネスを展開している。
一方で、それほど比率は大きくはないが、いくつかの新電力も誕生している。以下に主な新電力を挙げておく。
電力価格に関しては、大手のEDP、Galpよりも低い価格設定を行っている。以下は2016年の3.45kVAで契約した場合の基本料金と電力量料金をグラフ化したものである(図3)。
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