電車も燃料電池で走る時代、ドイツで2018年に運行開始蓄電・発電機器(2/2 ページ)

» 2016年09月28日 07時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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走行時に排出するのは水だけ

 Coradia iLintはドイツをはじめヨーロッパ各国の鉄道で採用しているディーゼル車の「Coradia Lint54」をベースに開発した(図4)。車両の外観はほとんど変わらない。すでにドイツの鉄道会社がCoradia iLintの採用を決めて、2018年に運行を開始する予定になっている。

図4 ドイツで運行中のディーゼル車「Coradia Lint54」(画像をクリックすると拡大)。出典:アルストム

 アルストムによると、ドイツ国内の鉄道だけでディーゼル車が4000車両以上も運行中だ。このほかの国でも電化していない区間に大量のディーゼル車が走っていて、軽油を燃料に利用するため有害な排ガスやCO2(二酸化炭素)の排出が問題になっている。

 これに対して燃料電池は水素と酸素が反応して電力と熱を作り、排出するのは水だけである。ディーゼル車から燃料電池車に切り替えれば、走行時に有害物質やCO2の排出量をゼロに抑えられるメリットがある。再生可能エネルギーから水素を作った場合には完全にCO2フリーで走る電車になる。

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