1000のため池を持つ岡山県笠岡市、水上メガソーラーが広がる太陽光(2/2 ページ)

» 2016年10月06日 09時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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遊水池を活用した水上メガソーラー

 笠岡市では2016年6月から遊水池を活用した水上メガソーラーが発電を開始している。市内にある「十一番遊水地」を活用した「かさおか十一番町遊水地 水上ソーラー発電所」である。大阪ガスグループのエナジーバンクジャパンが笠岡市から土地を借り受けて発電所を運営している(図3)。

図3 「かさおか十一番町遊水地 水上ソーラー発電所」出典:エナジーバンクジャパン

 同メガソーラーは設置面積1万平方メートルに対して、合計3744枚の太陽光パネルを設置。発電能力は973kWで、年間発電量は100万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭280世帯分の使用量に相当する発電量だ。発電した電力は全て中国電力に売電している。

 この発電所では太陽光パネルをフランスのシエル・テール社製のフロートで水面に浮かべている。高密度ポリエチレンを素材に使い、劣化や腐食に強い特徴を持つ製品だ(図4)。

図4 「かさおか十一番町遊水地 水上ソーラー発電所」の太陽光パネルの設置状態 出典:大阪ガス、エナジーバンクジャパン

 笠岡市は比較的降雨量が少ないため、水稲栽培の水源としてため池が活用されている。そのため同市には市内に大小1000カ所以上のため池がある。このうち受益面積が2万平方メートル以上のものは200カ所以上もあるという。一方で、老朽化により堤防がやせたり漏水したりする池も増えており、市は改修を進めている。使われなくなったため池を活用することで、さらなる水上メガソーラーの導入も期待できる。

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