LED照明は、オフィスの節電はもちろん、地球温暖化防止に役立つ。
省エネルギーセンター(EECJ)によれば、オフィスビルの消費エネルギーのうち、最大の要素は照明だ。床面積3万5000平方メートル程度のオフィスビルでは、消費エネルギーの40%を照明が占める。第2位はコンセント(32%)、第3位が空調(28%)だ。
日本照明工業会(JLMA)が公開する「照明成長戦略2020」では、LED照明の効果を強調している。
2006年時点に導入されていた照明器具の台数を9.5億台と推定。2020年には2種類の効果によって二酸化炭素排出量が30%減少すると予測した(図4)。照明器具の総数が変わらないと仮定した場合、そのうち50%がLED照明に置き換わると、置き換わった器具の二酸化炭素排出量が48%減少する。置き換わらなかった照明にはインバーター化などの改善が施される結果、11%減少する。合計した効果は二酸化炭素排出量の30%削減だ。
地球温暖化防止の取り組みでは、2015年にパリで開催された「気候変動枠組条約第21回締約国会議」(COP21)で採択された新しい法的枠組み「パリ協定」が現実化する。二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロに導く取り組みだ。
パリ協定は加盟国のうち55カ国の批准、同時に全排出量の55%を担う国々の批准に至った時点で発効する。2016年10月2日にインドが批准、欧州議会が同10月4日に批准したため、2016年11月の発効が確実となった。
今後、パリ協定発効時の批准国だけが削減量について具体的なルールを決めていくため、議論に参加できない日本に求められる削減幅が実質的に大きくなる可能性がある。なお、日本政府は2030年度までに2013年度比、26%の温暖化ガス削減を掲げている。
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