発電とシイタケ栽培を両立、放棄地を活用したソーラーシェアリングで成果:自然エネルギー(2/2 ページ)
2016年は例年より多くの台風が発生した。しかし三喜工務店は「台風が刺激となり、例年より早めにシイタケが発芽した。市販のシイタケよりも肉厚に育った」としている(図5)。
図5 育ったシイタケ 出典:三喜工務店
さらに同社では、シイタケだけでなく他の植物の育成にも挑戦している。その1つがサトイモだ。比較的日射の取れるエリアを選んでサトイモを植えたところ、順調に育っているという(図6)。
図6 サトイモも順調に育っているという 出典:三喜工務店
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