住宅用の太陽光発電の買取価格は事業用よりも高く、2016年度は31〜33円である(出力制御対応機器の有無による)。これを2019年度に24円程度まで低下させることが目標だが、買取価格を左右するシステム費用は直近の1年間で1.2万円/kWしか下がっていない(図6)。この程度だと買取価格は1円の引き下げが限度である。
そこで政府が検討しているのは、事業用の太陽光発電で採用しているトップランナー方式の導入だ。上位25%のシステム費用は平均値と比べて4万円/kW以上も安くなっている(図7)。2019年の目標を達成するためにはシステム費用を30万円/kWまで下げる必要があるが、その水準に近づく。
住宅用の買取価格は2017年度から数年先の低減スケジュールを示すことになっているため、トップランナー方式と組み合わせて2019年度に24円程度まで引き下げる案が有力である。買取価格が24円になると、家庭用の電気料金の水準と同等になって自家消費が増えていく。
直近では設備利用率に大きな変化は見られない(図8)。ただし今後は住宅用でも過積載の傾向が進むことは確実である。システム費用がさほど低下しなくても、過積載によって設備利用率が上昇すれば、買取価格を下げても導入メリットは変わらない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.