太陽光発電は2円程度の引き下げに、2017年度の買取価格自然エネルギー(2/3 ページ)

» 2016年11月04日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

住宅用にもトップランナー方式を適用

 住宅用の太陽光発電の買取価格は事業用よりも高く、2016年度は31〜33円である(出力制御対応機器の有無による)。これを2019年度に24円程度まで低下させることが目標だが、買取価格を左右するシステム費用は直近の1年間で1.2万円/kWしか下がっていない(図6)。この程度だと買取価格は1円の引き下げが限度である。

図6 住宅用の太陽光発電のシステム費用(画像をクリックすると2011年から表示)。出典:資源エネルギー庁

 そこで政府が検討しているのは、事業用の太陽光発電で採用しているトップランナー方式の導入だ。上位25%のシステム費用は平均値と比べて4万円/kW以上も安くなっている(図7)。2019年の目標を達成するためにはシステム費用を30万円/kWまで下げる必要があるが、その水準に近づく。

図7 システム費用の水準(上位50%)。単位:万円/kW。出典:資源エネルギー庁

 住宅用の買取価格は2017年度から数年先の低減スケジュールを示すことになっているため、トップランナー方式と組み合わせて2019年度に24円程度まで引き下げる案が有力である。買取価格が24円になると、家庭用の電気料金の水準と同等になって自家消費が増えていく。

 直近では設備利用率に大きな変化は見られない(図8)。ただし今後は住宅用でも過積載の傾向が進むことは確実である。システム費用がさほど低下しなくても、過積載によって設備利用率が上昇すれば、買取価格を下げても導入メリットは変わらない。

図8 住宅用の太陽光発電の設備利用率。出典:資源エネルギー庁

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