東芝が開発した「光電気化学システム」の仕組みを図2に示す。
左右の容器と容器の間を結ぶ管の他、シリコン太陽電池と各容器内の電極が描かれている。太陽電池には自然の太陽光と同等の疑似太陽光を照射した(JIS規格準拠)。容器内には電解質として安価な炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の水溶液を入れた。
左側の容器には薄紫色で示した白金アノード電極を置き、太陽電池の生み出す起電力によって、水を水素イオン(H+)と酸素分子に分解している。得られた電子は回路内を右側の容器に向かって移動する。
5H2O → 10H+ + 2.5O2 + 10e−
2つの容器を結ぶ管ではイオン交換膜によって、容器内のイオンが一方向にしか流れないように制限している。
右側の容器では外部から二酸化炭素を吹き込んでいる。左側の容器から得た水素イオンと二酸化炭素が、茶色で示した金電極の表面近くで触媒と反応。反応後の触媒がエチレングリコールを放出するという仕組みだ。
2CO2+10H++10e− → C2H6O2 + 2H2O
システム全体を通して考えると、4分子の二酸化炭素と6分子の水から、2分子のエチレングリコールと5分子の酸素を生み出していることになる。
4CO2 + 6H2O → 2C2H6O2 + 5O2
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