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» 2016年11月10日 06時00分 UPDATE

建設×VR:いまさら聞けないVRの基礎ーー2D/3Dとの関係性 (1/4)

建築土木分野での活用が広がっているVR(バーチャルリアリティ)技術。一方、そもそものVRのやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の仕組み、これらを活用してくいく上での注意点などについては、意外と知られていないのではないだろうか。本稿ではこうしたVRの基礎的な部分について解説する。

[町田聡 最先端表現技術利用推進協会 会長,BUILT]

 2016年入ってVR(バーチャルリアリティ)に関する話題が増え、ちまたでは「VR元年」といわれるまでになっています。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)型のVRは、既に1965年頃に登場していましたが、2015年あたりからPCやスマートフォンの処理能力が飛躍的に向上し、HMDのコストが下がったことで、一気に利用される分野が拡大しています。

 建築土木分野での利用も、VRが登場した初期の頃からシミュレーション用途として活用されています。最近では普及段階としては不動産分野での物件確認や、内装の事前シミュレーションといった利用方法も急速に広がりを見せています。今後はこうしたVRソフトとHMDの活用領域がさらに広がり、都市開発などにおける強力な合意形成ツールとしての利用も進んでいくと考えられます。

 例えば、フォーラムエイトが開発する「UC-win/Road」というVRソフトでは、地形に合わせた道路を設定して建物を配置し、広範囲の都市VRモデルを短時間で構築し、さらに作成した道路に交通流を設定して車を走らせた際の運転シミュレーションをリアルタイムに行えます(図1・2)。

 「Oculus Rift」との連携も可能で、今後は「Ovrvision」などの外部カメラを装着し、現実の風景を合成することでARやMR(複合現実感)といった表現も可能になっていくでしょう。現実世界の豊かな情報にCGモデルの情報を付加することで、より高度な合意形成と計画検討を行えるようになります。

図1 魚眼レンダリングのイメージ
図2 ステレオ表示のイメージ

 このようにVRやHMDが普及するスピードがあまりにも早く、さまざまなハードウエアやコンテンツが登場している一方で、それらのアプリケーションを開発している開発者や制作者、それを体験する利用者のVRに対する基礎的な理解は十分とはいえません。本稿ではVRが抱える可能性や課題を整理しながらその全体像を俯瞰(ふかん)して見ることで、ARや3Dなど、VR周辺の理解も促進していただければと思います。

スマホVRを見る筆者
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