鉄道の沿線に直径86メートルの大型風車、1600世帯分の電力を供給自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2016年11月11日 11時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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最大50MWの風力発電所も開発中

 JR東日本は青森・岩手・秋田の3県を中心とする北東北エリアを対象に、再生可能エネルギーによる発電設備の建設を2012年から推進してきた。太陽光発電を手始めに、地域の資源を生かした地熱発電やバイオマス発電にも取り組んでいる(図4)。

図4 JR東日本グループの再生可能エネルギーの取組状況。出典:JR東日本

 風力発電はJR秋田下浜風力発電所が初めてのケースで、JRグループ全体でも初の試みである。同じ秋田県内ではグループ会社のJR東日本エネルギー開発が由利本荘市の日本海沿岸部で「由利大内ウィンドファーム」の開発を進めている。最大で50MWの発電能力がある大規模な風力発電所を計画中で、すでに環境影響評価の手続きに入っている。

 太陽光発電では鉄道の沿線に所有する広大な用地を生かしてメガソーラーを拡大中だ。これまでに秋田県内だけで3カ所のメガソーラーが稼働している。その中で最も新しいのは秋田市にある「秋田泉太陽電池発電所」で2016年3月に運転を開始した。

 奥羽本線の上下線のあいだにある細長い土地に建設したもので、発電能力は1.3MWある(図5)。以前は列車を入れ替えるための操車場があったことから、多数の線路が残ったままになっている。線路のレールの上に支柱を立てて太陽光パネルを設置するユニークな工法を採用した。

図5 「秋田泉太陽電池発電所」の用地(上)、鉄道のレールの上に設置した太陽光パネル(下)。出典:JR東日本

 このほかに茨城県や千葉県で稼働中のメガソーラーを含めて、2017年3月までに太陽光発電の導入規模が12MWに達する見通しだ。さらにJR東日本エネルギー開発が福島県で「富岡復興メガソーラー・SAKURA」(発電能力30MW)の建設プロジェクトに参画している。

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