太陽光パネルの故障を2種類の装置で検出、全国300カ所の発電所に:エネルギー管理(2/2 ページ)
NTTファシリティーズは自社で運営する67カ所の太陽光発電所のほかに、他社の太陽光発電所を含めて全国の約300カ所を対象に保守サービスを実施している(図5)。発電能力を合計すると500MW(メガワット)を超える。
図5 保守サービスの対象になる太陽光発電所。出典:NTTファシリティーズ
この保守サービスでは、太陽光発電所の発電状況などのデータをインターネット経由でオペレーションセンターに集める。データの分析結果からトラブルが発生している可能性があれば、担当者が現地へ駆けつける体制になっている(図6)。
図6 保守サービスの提供イメージ(画像をクリックすると拡大)。出典:NTTファシリティーズ
さらに定期点検やメンテナンスを含めて、太陽光パネルの故障検出に2種類の装置を適用する。2016年12月中に全国のサービス拠点に配備する予定だ。太陽光発電では安定稼働が大きな課題になっているため、パネルの点検体制を強化して保守サービスの顧客拡大につなげていく。
検査装置を提供するアイテスはコンピュータメーカーの日本IBMの品質技術部門から1993年に分離・独立した。電子部品の品質チェックなどを通じて蓄積したノウハウを生かして、太陽光パネルの故障を検出する2種類の装置を開発した。2014年に発売して累計で約1000台の導入実績がある。2017年はNTTファシリティーズの採用をテコに年間で1000台以上の販売を目指す。
- もっと増やせる太陽光発電、コスト低減と長期安定稼働で課題解決
太陽光に偏重する再生可能エネルギーの制度改革が進む一方で、今後も有望な電力源になる太陽光発電を長期的に拡大する対策が始まる。国際的に見て割高な発電コストの低減に取り組みながら、発電設備を安定して稼働させるためのガイドラインやサポート体制の整備を全国規模で推進していく。
- 改正FIT法で対応必須、今後抑えるべき太陽光O&Mのポイントとは
2017年4月1日からFITが生まれ変わる。大きな改正点の1つとして注目されるのが、O&Mの義務化だ。新制度のスタートに向けて、いま何をしなければならないのか。次の一手を模索する太陽光発電業界に向け、スマートジャパンではセミナーを開催した。
- 太陽光パネルを東と西に向けて、メガソーラーの発電量を15%増やす
NTTファシリティーズは千葉県に建設するメガソーラーで、東と西に向けて太陽光パネルを設置する新システムを初めて導入する。通常の南向きに太陽光パネルを設置する方法と比べて、同じ敷地面積で発電能力を25%増やすことができる。年間の発電量は15%増加する見込みだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.