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» 2016年11月17日 07時00分 UPDATE

太陽光:「エコめがね」の先に見据えるIoT時代、NTTスマイルが事業戦略を語る (1/2)

NTTスマイルエナジーは事業戦略発表会を開催した。低圧太陽光発電向けの遠隔監視サービス「エコめがね」を主軸に、再生可能エネルギーの流通・拡大に向けた事業にも注力する同社。代表取締役社長の谷口氏が「その先」を見据えた今後の事業戦略について語った。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 NTTスマイルエナジーは2016年11月16日、東京都内で会見を開き、代表取締役を務める谷口裕昭氏が現在の事業状況と今後の戦略について説明した。低圧向け太陽光発電の遠隔監視システムでトップシェアを誇る同社の主力サービス「エコめがね」は順調に導入が拡大。こうした顧客基盤を生かし、アグリゲーター事業や電力小売事業も展開する同社だが、今後はO&M(運用保守)サービスの拡充や、ネガワット取引市場の創設に伴い注目されているVPP(バーチャルパワープラント)事業などに注力していく方針だ。

 エコめがねは住宅・産業用の低圧太陽光発電設備向けの遠隔監視サービス。専用のセンサーで取得した情報をクラウド上で管理することで、販売店とオーナーはその情報をPCやスマートフォンからいつでも確認できる。同社では2011年11月の発売以降、インターネット環境がない設備でも対応できる通信回線のセットプラン、出力制御に対応する全量買い取り設備向けプラン、O&Mサービスプランなど、さまざまな商品ラインアップを拡充してきた。発売から5年となる2016年11月現在までにエコめがねの導入件数は4万件を突破し、これらのユーザーのパネル容量を合計すると1GW(ギガワット)になるという(図1)。

図1 累計1GWを突破した「エコめがね」(クリックで拡大)出典:NTTスマイルエナジー

 NTTスマイルエナジーはこうしたエコめがねの提供だけでなく、そこから得られる情報を活用し、「再エネのアグリゲーター」として太陽光で発電した電力の流通にも取り組んでいる。「エコめがねというのは単なる遠隔監視サービスではなく、エネルギーのIoTサービス基盤だと考えている。この基盤が新しいサービスに生きている」(谷口氏)

図2 谷口氏

 同社では2015年1月からエコめがねを導入した太陽光発電設備の電力をプレミアムで買い取る「エコめがねPlus」を提供(現在は受付終了)。この電力は新電力のエネットに売電している。全国のエコめがねユーザー4万件のうち、8000ユーザー分、合計約27万kW(キロワット)分の発電設備の電力を売電しているという。

 さらに電力の小売全面自由化がスタートした2016年4月からは、同じくエネットと共同で家庭向けの電力小売サービス「太陽のでんき」も開始。こちらはエネットが上述のようにエコめがねユーザーから買い取ったFIT電気と、自社で発電・調達するLNG火力の電力を組み合わせて電力供給を行う。エコめがねを導入したユーザーを対象としており、昼間の8時〜16時は「固定価格買取制度」(FIT)による太陽光100%のFIT電気を供給するのが特徴だ。

 谷口氏はエコめがね、さらにはその顧客基盤を生かした事業展開について「われわれの強みは独自の発電予測のロジックを持っている点。全国に分散している4万件、合計すると原発1基分(1GW)の出力に相当する太陽光発電設備から得られるビッグデータを活用し、高度な需要予測を行っている。出力が変動する太陽光発電設備に対し、しっかりとした需要予測が行えなければ、こうした事業展開は行えない」と述べる。

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