福島県は国内でも日射量に恵まれていて、県内の全域で太陽光発電所の開発プロジェクトが活発だ。特に太平洋沿岸部の浜通りの日射量が多いが、白河市を含む中通りや西側の山通りでも南部を中心に日射量の多い地域が広がっている(図4)。
福島県は震災後に県を挙げて再生可能エネルギーの導入に取り組んできた。2013年度に開始した「再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン」の最初の3年間に、太陽光発電から地熱発電まで新しい発電設備が県内各地で運転を開始している(図5)。
さらに2016〜2018年度の第2期でも太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの導入量を大幅に増やす計画だ。太陽光発電だけでも2015年度末の564MWから2018年度末には1.5倍の836MWに拡大する目標を掲げている(図6)。その後も白河市に建設する太陽光発電所などが運転を開始すると、2020年代の初めには太陽光発電の導入量が1000MWに達する。大型の原子力発電所1基分に匹敵する発電能力になる。
これまでに福島県内で固定価格買取制度の認定を受けた太陽光発電設備の規模は合計で4000MWを超えている(図7)。運転中の太陽光発電設備の7倍にのぼる導入量を見込める状況だ。震災からの復興に向けて、2020年代に福島県が再生可能エネルギー先駆けの地になっている可能性はますます高まっていく。
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