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» 2017年01月16日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:インターネットに再生可能エネルギーを使う、米国企業が推進、アジアは遅れる (1/2)

全世界で環境問題に取り組むグリーンピースが主要なインターネットサービス会社の電力利用状況を評価した。アップルを筆頭に米国企業で再生可能エネルギーの利用率が高まるのに対して、市場が拡大するアジアの会社は火力発電に依存したままだ。アリババなど中国企業の対応の遅れが目立つ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 クリーンエネルギーの普及を目指す国際環境NGO(非政府組織)のグリーンピースは電力消費量が増大するインターネットサービスを対象に、事業規模の大きい企業の電力利用状況を定期的に評価して公表している。2017年1月10日に発表した最新のレポートでは、再生可能エネルギーの導入を進める米国企業に高い評価を与える一方、中国・韓国・台湾の会社に厳しい評価を下した。

 世界のインターネットサービス市場で主要な地位を占める15社の中では、アップル、フェイスブック、グーグルの3社が最高のA評価を受けている(図1)。再生可能エネルギーの利用率が高いことに加えて、エネルギー利用の効率化やクリーンエネルギーに対する普及啓もう活動なども評価を押し上げた。

図1 主要なインターネットサービス会社のクリーンエネルギー利用評価(画像をクリックすると拡大)。項目は左から、6段階評価(Aが最高)、電源構成(クリーンエネルギー、天然ガス火力、石炭火力、原子力)、エネルギー利用状況の透明性、再生可能エネルギーの導入方針、エネルギー利用の効率化、再生可能エネルギーの調達、普及啓もう活動。出典:Greenpeace

 一方で中国のインターネットサービス会社に対する評価は極めて低い。ネット通販のアリババが6段階(A〜F)のうちD評価、検索サービスのバイドゥとSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のテンセントは最低のF評価になっている。アジアの会社では韓国のネイバーがC評価で最高だ。

 中国や韓国では火力発電の比率が高く、各社が独自に再生可能エネルギーを導入する取り組みも進んでいない。グリーンピースの評価対象に日本の会社は入っていないが、再生可能エネルギーの利用に関しては同様に遅れをとっている。

 グリーンピースがインターネットサービス会社の電力利用状況に注目するのは、IT(情報技術)産業の電力消費量が急速に増えているためだ。2012年の時点で世界のIT産業が消費した電力はロシアや日本の国全体の消費量を大幅に上回っている(図2)。IT産業の動向によって世界のエネルギー利用状況は大きく変わってくる。

図2 IT産業の電力消費量(2012年、画像をクリックすると拡大)。単位:10億キロワット時。用途は左から、データセンター、ネットワーク、IT機器、製造工程。出典:Greenpeace(ReseachGate社のデータをもとに作成)

 特に最近の数年間でネットワークとデータセンターの電力消費量が大幅に増加した。スマートフォンを中心にインターネットサービスの利用者が全世界で拡大していることによる。2017年にはIT産業の電力消費量の50%をネットワークとデータセンターが占める見通しだ(図3)。

図3 IT産業の電力消費の変化。出典:Greenpeace(ReseachGate社のデータをもとに作成)
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