エネルギーは太陽熱、電力を使わず野菜を自動育生自然エネルギー(1/2 ページ)

農業ビジネスを展開するネイチャーダイン(東京都文京区)は、このほど電力などの人工エネルギーを使うことなく、太陽の熱で自活稼働する自動野菜栽培装置を開発した。

» 2017年01月20日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 農業ビジネスを展開するネイチャーダイン(東京都文京区)は、同社が開発を進める動野菜栽培装置「SoBiC(Solar Pneumatic Bio-Cycle)」の動力システムで、電力などの人工エネルギーを使うことなく、太陽の熱で自活稼働できる新機構を開発したと発表した。

 SoBiCは太陽熱による空気膨張と収縮による圧力変化を利用し、ユニット内の天然培地に、水を自然のリズムで自動的に循環させ、自然の生態系に準じた最適な栽培環境を創り出すことで、手間やコストをかけずに簡単に健康的な野菜が栽培できる仕組み。同社は2016年夏にクラウドファンディングでプロジェクト資金を調達することに成功。その後、さまざまな事例や実験を重ね、より安定した動作と更なる効率化を図った量産型のオーガニック・エンジンを完成させた。

 太陽熱による微妙な空気圧変化を利用して水の循環動力に変換する機能構造は、その形や動作メカニズムが人間の肺や心臓と同じ構造原理になったことから、「有機的構造原理で、無駄なく自己調整機能をもった発動メカニズム(オーガニック・エンジン)というまったく新しい動力機構概念」と同社は位置づけている(図1)。

図1 新機構のオーガニック・エンジン・システム(クリックで拡大) 出典:ネイチャーダイン

 この新機構によって、コンパクトでありながら補充水タンクが栽培槽を覆う大容量のウォーターウォール型にできたことで、水の補充の手間も大幅に削減するとともに、培地内の遮熱や保温の効果で、根の部分に対する環境変化の負荷を大幅に軽減でき、異常気象に対する耐性機能や、栽培期間の延長、栽培地域を広げることにも寄与できるという。

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