実は多い“サビ”のトラブル、太陽光発電設備を守るには太陽光(3/3 ページ)

» 2017年01月24日 11時00分 公開
[O&M Japanスマートジャパン]
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発電量の低下につながることも

 3つ目にサビが発電量の低下を起こすという問題があります。上部の金属からサビが流れてモジュール表面を覆い、太陽光を遮ってしまうことで、十分な発電ができなくなってしまうのです。今はまだ実際の測定には至っておらず具体的な低下の数値は分かりませんが、多くの事例で発電量への影響が見られます。

 4つ目に機器自体の故障を引き起こすということがあります。PCS(パワーコンディショナー)や、ブレーカーなどの端子台、筐体(きょうたい、電気機器などを収めた箱)のサビは、各種機器の故障につながります。特に筐体のサビは放っておくと雨漏りを起こし、その結果、絶縁不良やアークと呼ばれる放電が発生する危険性もあります。

対策は?

 サビを発生させないためには、まず金属の電位差によってサビが起こることを認識し、設置前に材質選択などに十分留意して施工するのが第一です。もちろん電蝕を防ぐためには同種金属の使用が好ましいのですが、それは困難なので、防サビ塗装や耐水テープなどを使ってできる限りの予防を行いましょう。

 そして設置後は定期メンテナンスで、次の2点に注目してサビを早期に見つけていくことが大切です。

  1. 著しい変色がないか(サビは赤色だけでなく、白サビなどもあるので注意が必要)
  2. 屋根や周囲にサビが流れた後がないかどうか

 サビかどうかを確認するための専用の機器はなく、目視や触診でチェックするしかないのですが、もしどれか1つでも発見したら、サビ落としや防サビ剤の塗布によって対処を進めることが重要です。サビは急速に拡大する、ということも念頭において早期対処を進めましょう。

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