図2は現時点の発電コストだ。再生可能エネルギーは導入規模による経済効果(学習曲線)が強く働き、燃料費の高騰とは関係が薄いため、将来の発電コストは現在よりも低くなる。
フラウンホーファーISEは2035年までの約20年間、どのように発電コストが変化していくのかを求めた(図3)*3)。
*3) 計算上の仮定については関連記事の注1を参照。
2035年に至った段階で最も安価なのはやはり風力発電(薄青紫色)だった。だが、LCoEは現在からほとんど下がらないと予測。
大規模太陽光(網目模様)は逆だ。2016年から2022年ごろまで、発電コストを急速に下げていく。2025年には一部が風力に追い付き、2035年には差はわずかなものとなる。2035年時点のLCoEの下限は0.055ドル/kWhだ。
小規模な太陽光(黄色)も同じ傾向にある。ただし、風力には追い付かない結果となった。
ディーゼル火力(濃い紫色)は燃料費高騰の影響を受け、徐々にコストが上がっていく。2035年時点では小規模太陽光にも負けてしまう。コンバインドガスタービン(CCGT、オレンジ色)もコストがわずかに上がり、小規模太陽光のうち最もコスト高のものと同等になってしまう。
振るわないのは集光型太陽熱発電(赤)だ。発電コストは次第に低減するものの、2035年までに他の発電方式に追い付くことはない。
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