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» 2017年02月03日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:12の予測は光と影、2035年のエネルギー(1) (1/4)

英国の国際石油資本BPは2017年1月25日、2035年までの世界のエネルギー動向を予測した「BP Energy Outlook 2017 edition」を発表。天然ガスと再生可能エネルギーによって、いわゆるエネルギー危機は起こらない。それでも、二酸化炭素排出量削減がうまくいかないシナリオを示した。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 英国の国際石油資本BPは、約20年後、2035年までエネルギーについてまとめた「BP Energy Outlook 2017 edition(Outlook)」を2017年1月25日に発表した*1)。2回に分けて内容を紹介しよう。今回は化石燃料を中心に扱う。

 Outlookの主な予測は12ある。結論を一言で言えばこうなる。未来のエネルギーのうち、成長頭は天然ガスと再生可能エネルギーだが、依然として化石燃料の占める比重は好ましい水準以上にとどまる(図1)。

*1) 英BPは年に1度「BP Energy Outlook」を公開しており、今回は第7版に相当する。

図1 全世界の一次エネルギーの内訳 エネルギー消費量のうち、天然ガスの伸びが著しい(左、単位は石油換算10億トン)。化石燃料が全エネルギーに占める比率が低減するなか、再生可能エネルギーの割合が急増する(右)(以下、クリックで拡大) 出典:BP Energy Outlook 2017 edition

 BPの予測は他の8団体*2)と多少異なる(図2)。2035年までのエネルギー需要の増加をどのエネルギー源がまかなうかという予測だ。BPはエネルギー需要の年増加率を1.3%と算出。9団体のうち、4番目に高い。

 最大の違いは、再生可能エネルギーの寄与率だ。年増加率のうち、約0.6ポイントに相当すると予測。これは9団体のうちで最も高い。逆に石油の寄与率は2番目に低く予測した。

*2) 図2は左から順にBP、IEA(国際エネルギー機関)、EIA(米エネルギー情報局)、MIT(マサチューセッツ工科大学)、IEEJ(日本エネルギー経済研究所)、IHS(米IHS Energy)、PIRA(米PIRA Energy Group)、XOM(米ExxonMobil)、CNPC(中国石油天然气集団公司)。

図2 BPと他の団体の予測値 出典:BP Energy Outlook 2017 edition

世界経済の成長とエネルギー需要

 12の予測は主に3つに分かれる。世界の経済成長とエネルギー需要、化石燃料、再生可能エネルギーと電力だ。

  • 【予測1】全世界のGDP(国内総生産)は新興国の急成長によって2035年までにほぼ倍増し、20億人が貧困ラインを超える

 人口とGDPは、エネルギー需給の将来に強い影響を与える。BPによれば、世界人口の増加率は今後1%以下に低減するものの、アフリカの人口増加が著しく、増分のうち約半分を担う。2035年の世界人口は88億人。その一方でGDPの伸び率は人口増加率を超える年間3.4%。つまり、人口増加ではなく、生産性向上がGDPを引っ張り上げる形だ(図3)。GDPの伸びを支えるのは中国、次にインドと先進国であるOECD(経済協力開発機構)諸国だ。

図3 世界人口とGDPの将来 出典:BP Energy Outlook 2017 edition
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