将来の事業収支を予測、サミットエナジーがIBMの管理システムを導入IT活用

住友商事グループで電力販売や発電事業を手掛けるサミットエナジーは、日本IBMの収支管理システムを導入した。需給管理や顧客管理といった関連システムから連携される需要や電源の契約・実績情報などを利用し、将来の事業収支をさまざまなパターンで予測できるという。

» 2017年02月08日 11時00分 公開
[陰山遼将BUILT]

 日本IBMは2017年2月7日、住友商事グループで電力販売や発電事業を手掛けるサミットエナジーが同社の収支管理システムを導入し、運用を開始したと発表した。

 小売電力事業は顧客である需要家の契約件数、契約規模、天候や曜日などで変動する需要量や供給量、電力市場取引の量や価格、原油・LNG・石炭の各貿易統計価格に応じて事業収支が大きく変動する。そのため、事業計画の策定が難しく、その根拠を体系的に明示することが難しいといった課題があった。

 今回サミットエナジーが導入した日本IBMの収支管理システムは、需給管理や顧客管理といった関連システムから連携される需要や電源の契約情報や実績情報に加え、営業販売計画を利用する。これら入力データをもとに、IBMのクラウド型プランニング・エンジンである「IBM Planning Analytics」を活用して、想定される需要や電源の規模、営業販売計画の変動、市場取引や貿易統計の変動に応じた将来収支を、さまざまなパターンで算定する。これにより事業計画の精度向上や、計画作成業務の効率化などに寄与するという。

 サミットエナジーは、2001年に小売電力事業を開始。これまで約15年間にわたり、バイオマス・風力・太陽光など自社発電所の電源を活用した電力供給基盤を強みとしている。現在、国内で最大級となる75MW(メガワット)の「半田バイオマス発電所」を愛知県に建設中だ(図1)。

図1 「半田バイオマス発電所」のボイラー 出典:サミット半田パワー

 同社は2016年から家庭向けを中心とした低圧の電力供給も開始。現時点で、北海道、東北、東京、中部、関西、中国、九州で供給を行っている。将来の事業計画の精度向上や、事業運営の効率化を目的に今回新たに日本IBMの収支管理システムの導入を決定したという。

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